「源氏物語」の紫式部はモテない婚活女子だった?3つの残念エピソード

源氏物語の著者・紫式部は平安時代屈指のベストセラー作家です。
今回は、平安の文豪・紫式部の人生や失敗、功績について解説します。
是非あなたのビジネスのヒントに役立ててみてくださいね。

紫式部ってどんな人?

紫式部は日本屈指の文学作品「源氏物語」の作者です。
「枕草子」で有名な清少納言と並ぶ平安時代のベストセラー作家として知られていますね。
父・藤原為時は高名な学者で、紫式部自身も学問が得意だったそうです。宮仕えの才女というと、なんだか華やかでオシャレなイメージがありませんか?
しかし、彼女の人生を振り返ってみると、現代の女性も強く共感してしまうような、悩みや葛藤を抱えていたことが分かるんです。
彼女のエピソードについては、後ほど紹介していきますね!

紫式部の代表作「源氏物語」

源氏物語は、紫式部が30歳くらいの頃に書き始め、40歳頃に完成したとされる長編小説です。
日本人なら日本史や古文の授業で一度は触れたことのある、古典の代表作ですよね。
超モテ男・光源氏と宮中の女性たちの恋愛模様を描いた作品で、そのドロドロ過ぎる展開に、現代では「昼ドラっぽい」なんて言われることもあります。
光源氏の誕生と数々の女性との恋愛を描いた第1部、源氏の老いや過去の後悔を描いた第2部、源氏の死後を描いた第3部から構成されています。
登場人物はおよそ500人、詠まれる和歌は800首近くと、10年かけただけあってかなりスケールの大きい作品です。

実は苦労人?紫式部の残念なエピソード

才色兼備なイメージの強い紫式部ではありますが、私たち庶民が思わずうなずいてしまうような残念なエピソードも数多く言い伝えられています。

悩む婚活女子・紫式部

「宮中女子」なんて華やかなイメージとは裏腹に、紫式部はあまり男性から人気のある女性とは言えなかったようです。
紫式部の初婚は27歳の時。
現代なら普通というか、少し早いな~と思う人もいるかもしれませんね。
しかし平安当時は、10代前半で結婚することが全く珍しくありませんでした。
紫式部の上司にあたる藤原彰子が結婚したのは12歳のころ、その従妹にあたる定子が結婚したの14歳のころだと言われています。
周囲の女性が自分の半分ほどの年齢で結婚していく中、紫式部の焦りは尋常じゃなかったはずです。
というのも、当時の女性は人生の選択肢が非常に少なく「結婚か出家か」という二択を迫られることも多かったのです。
結婚しなくても幸せになれる現代ですら、周囲の結婚ブームに焦る人は少なくありません。
当時の紫式部も「ヤバいヤバい、もうアラサーなんだけど!いい男全然いないんだけど!」などと焦りに焦っていたのかもしれませんね。

夫・藤原宣孝と死別

悩める婚活女子・紫式部に良縁が巡ってきたのは、27歳の時でした。
当時の水準で言えば、間違いなく晩婚中の晩婚でしょう。
しかしやっとの思いで結婚した紫式部を、さらなる悲劇が襲います。
結婚後わずか3年で、夫・藤原宣孝が病にかかり亡くなってしまったのです。
ようやく手に入れた幸せが、あっという間に水の泡になってしまったこの絶望的な体験こそ、紫式部が源氏物語を書くにいたった契機だと考えられています。

ライバルの陰口を日記に残す

小説「源氏物語」がとにかく有名な紫式部ですが、実は宮中での思い出や悩みを描いた「紫式部日記」もよく知られています。
この「紫式部日記」には、同僚やライバルに対する陰口なども数多く残っており、彼女のリアルで生々しい宮中生活を想像させます。
ライバルにあたる清少納言に対しては「得意顔で秀才を装ってるけど、よくみると間違いも多い。どうせ自分は特別だと思ってるんだろうけど、あんなに薄っぺらい人が良い人生なんて送れるはずないでしょ」といった内容でこき下ろしています。
現代風に言えば「何アイツ!ちょっとデキるからって調子に乗っちゃって!どうせ見てくれだけでしょ」というわけです。
後輩にあたる和泉式部に関しては「美しい歌を詠むけど、男癖が悪い。言葉自体は綺麗だけど、立派な歌人じゃない」と言及しています。
源氏物語は昼ドラだなんて言いますが、実際の紫式部の人生もかなりドロドロしたものだったのかもしれません。
当時の和歌や日記は、現代で言うSNSだと言われています。
感動することがあれば一句詠みますし、腹が立つことがあれば日記に記す。
優秀なライバルや上司に対する愚痴を書き込んでしまうような、庶民的感覚も紫式部にはあったのでしょう。

紫式部の成功

残念なエピソードもある紫式部ですが、日本最古の恋愛長編小説を書き上げ、国文学発展の基礎を作り上げた彼女の功績は非常に大きなものです。
その名は世界的にも広く知られ、源氏物語も国内外問わず多くの人に今なお愛されています。世界で最も親しまれる日本文学の1つと言って良いでしょう。

紫式部のエピソードから学ぶ成功者の一面

成功者というと、品行方正で、人格的にも聖人のような人間を思い浮かべるかもしれません。
しかし、実際には紫式部ほどの成功者であっても、婚活に苦戦するわライバルの陰口を日記に書くわと庶民的な一面もあるんです。
周囲の人と異なる道を歩むのも、感情を外に出すのも、悪いことではありません。
「全然結婚できないわ~」「あの後輩、めちゃくちゃムカつくんだけど!」という焦りや劣等感を抱えつつも、挫けずに自分を磨き続けたからこそ、成功者として名を残すことができたのではないでしょうか。