日本初の女流作家・樋口一葉から学ぶ、自分らしく生きるコツ

なにかに躓いたとき、または大きな失敗を犯してしまったとき、「もう立ち直れない」と落ち込んだ経験はありませんか?

自分の思い通りの人生を進めていないと、物足りなさと同時に、「〇〇のせいで上手く行かなかったんだ」と、責任を他に移して言い訳をしてしまうことがあるかもしれません。

しかし人生を好転させるためには、根底にある「うまくいかなかった原因」を把握し、仮に自分に足りない部分があっても、それを認めることが大切になります。今回は明治という時代に、困難と貧困の中でもたくましく生き、短い生涯で多くの話題作を生み出した、樋口一葉という女性をご紹介します

樋口一葉とは?

苦境の中でも歩みを止めないことの大切さを学び、樋口一葉のものがたりから、あなたのビジネスのヒントを得ていただきたいと思っています。

生い立ち

1872年、東京都の中流階級の家に、樋口奈津という女の子が誕生します。
この女の子こそ、後に日本初の女流作家として活躍する、樋口一葉その人です。


父は役人として勤める傍ら、不動産や金融業も手掛けており、比較的裕福な家庭でした。

学問好きだった父の影響もあり、幼い頃より勉強が好きな少女だった一葉。
しかし小学校高等科を主席での卒業後、勉強を続けたい一葉の考えとは裏腹に、母の「女に学問は必要ない」という方針のもと、進学は叶わない夢となってしまうのです。

ですが落ち込む一葉を不憫に思った父の計らいにより、1886年、14歳で「萩の舎」に入塾することができました。

この塾は当時有名な歌人であった、中島歌子の開いていた歌塾で、大勢の皇族や華族の子女たちが通っていました。
そんな中で一葉も、和歌や古典を学ぶこととなったのです。

「萩の舎」の新年会の折、60名以上の歌会の席で、彼女の読んだ詩が最高点を獲得し、注目を浴びます。

転機

楽しみを見出した一葉でしたが、兄と父が相次いで病死してしまったことで、人生の歯車が大きく歪んでしまいます。

父の死後、事業の失敗により多額の借金があったことが発覚し、母と妹との生活に加え、大きな負債をも背負ってしまうのです。
針仕事でなんとか繋ごうとするも、日に日に困窮してゆく生活。

「小説を書いて家族を支えよう」

「内職よりも稼げるかもしれない」

そう考えた一葉は、妹の友人のツテで、小説記者をしていた半井桃水という男性に出会います。
この男性に、一葉は初めての恋心を抱きました。

桃水に対し、弟子入りを申し出ますが一度断られてしまいます。
しかし一葉は諦めませんでした。

「針仕事では、母と妹を養うことができないのです」

「どんな厳しいお言葉も甘んじて受け止めますので、ぜひお願いします」

彼女の真摯な姿に胸打たれた桃水は、指導役を引き受けることにしたのです。

小説家になる

小説家へのスタートと同時に始まった一葉の恋は、その後1年ほど続きますが、片思いのまま終わってしまいます。

徐々に雑誌や新聞に小説を発表できるようになった頃、「萩の舎」の先輩であった田辺龍子の計らいで、「都の花」という雑誌で「うもれ木」を発表します。
それを皮切りに、出版社からの執筆依頼が急増することになったのです。

しかし自身の書きたいものと、求められるものとのギャップに悩み挫折。

人の真心に訴えるような作品を書きたい。

そんなときに開いた駄菓子屋で、お客として来ていた子どもたちを目にします。
店の客層のメインは、近くの遊郭に売られてきた子どもたちでした。

社会の底辺でも、一所懸命生きている人たちがいる。

明治の時代をたくましく生きる女性たちを書きたいと思うようになり、一葉の作風に反映されていきます。

1894年12月〜1896年1月までの短い期間に、有名な「たけくらべ」をはじめ「にごりえ」「ゆく雲」「十三夜」など数々の作品を発表し、森鴎外らからも高い評価を得、徐々に名声が高まっていきました。

しかしまだまだこれからという所で病に倒れ、24歳という短い生涯を閉じました。

彼女の短い活動期間は、「奇跡の14ヶ月」と呼ばれ、現在5千円札の顔としても、馴染み深い人物としてこの世に残っています。

一葉から学ぶ諦めないマインド

「このような時代に生まれ合わせた者として、何もしないで一生を終えてよいのでしょうか。何をなすべきかを考え、その道をひたすら歩んで行くだけです。」

男尊女卑が色濃い明治の時代、女性作家としての地位を築くことは、本当に高い難しいことでした。

しかし何もしないで一生を終えて、幸せな人生だったと胸を張って言えるでしょうか。

「自分にはなにができるのか?」

「そのためには今何をしなければいけないのか」

そう考えることができたなら、あとはひたすらに進み続けるだけです。

一葉はその短い生涯の中で、様々な苦労を背負い、貧困の中で亡くなりましたが、生前の彼女は明るく、苦境の中でもユーモアも忘れない人物であったと言われています。

周囲からも慕われ、大変な時代をたくましく生きたのです。

「諦めないこと」これこそが、性別や時代をを飛び越えて成功へと導く鍵となります。

ささやかな幸福を見つけ、その幸せを糧に前進することが、成功への近道となるのです。

自分が成すべきことは何なのか

「女性だから」「男性優位な社会だから」そんな風に、自分を諦めさせようとしていませんか?

私も「もっと女性に優しい社会だったらもっと頑張るけど」と言い訳をしていた時期がありました。

しかし、不満を抱いただけではなにも改善されません。
この方法を知れば、時代や性別に憂うことなく、突き進んでいける精神力が身につきますので、是非参考にしてみてください!

今回ご紹介したのはあくまで仏教の一部です。知れば知るほど奥深い教えなので、ご興味のあるかたはぜひ勉強してみてください!