勝つための立ち回りを孫子から学べ

ビジネスで勝つためには何が必要なのか?誰しもが思うことですよね。勝つための戦略?ツール?人材?様々なものがあることでしょう。

今回は孫子の、ものがたりからあなたのビジネスのヒントを得ていただきたいと思っています。

孫子とは?

皆さんご存じのとおり、孫子といえば古代中国の兵法書のことです。これを書いたのは孫武という人物で、春秋・戦国時代にあって弱小国の呉を強大な国家へと導いたという兵法の天才でした。日本の戦国時代には徳川家康も参考にしたといいますし、かの武田信玄も旗印にしたほどです。ではいったい何がすごいのでしょう?

何が書いてあるか

孫子の兵法は全13編から成りますが、実際の戦法について書かれているのはほんの3~4編ほどに過ぎません。その他はひたすら情報収集や駆け引き、戦争を起こさないための方法について記されているのです。
実は孫子が世に出るまでの兵法とは、運や天に任せるだけのものでした。例えば吉凶を占ってみて悪日だからやめておこうとか、縁起の良い日だから戦いを仕掛けようとか、あくまで原始的なものだったのです。
しかし孫子は違います。勝つための方法が合理的かつ論理的に語られていました。だからすごいのです。

名言


とはいえ戦争とはあくまで外交的手段の一つに過ぎません。戦わずして勝つことが最上の策だと唱えています。
たとえば孫子の冒頭では「兵は国の大事なり」と語られていますが、これは非常に重要なことです。国を構成する人やモノといった資源は無限ではありません。限りがあるからこそ有効的に活用するべきなのです。それにはどうすれば良いのでしょう?

戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり

兵や資源を無駄に損じないこと。だからこそ戦争をせず勝つことが上策なのです。いわゆる自分も敵も無傷である状態においてこそ、最大限の利益を得られるとされていますね。

兵は詭道(きどう)なり

また戦わないためには敵を欺くことも必要だと説いています。正攻法で損害を大きくするのではなく、意表を突いた方法であっても最小限のリスクを選ぶべきなのです。

算多きは勝ち、算少なきは勝たず

はいえ戦いに勝敗は付き物です。いかに負けのリスクを少なくするかにも留意しなければなりません。
いわゆる負ける戦いはしないということです。
無謀な挑戦は控え、自分の身の丈に合った戦いを挑めば、自然と勝利するだろうということですね。

彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず

孫子の中で最も知られている言葉があります。
敵の情勢を把握し、自らの実力を知っていれば、万が一にも負けはないということです。これに関しては現代のビジネスにも十分通用する格言ではないでしょうか。

孫子の中で共通して言えること。それは勝利するための準備・情報の取得・常に主導権を握ることが重要だと述べています。戦争を単なる戦闘行為とは捉えず、そこに至るまでの過程をしっかり押さえることが勝つための早道だということでしょう。
また兵隊という「個」が多くかかわっている以上、小さな単位なら気にしなくても良いのですが、大勢になればなるほど考えのベクトルを一致させねばなりません。それこそが指導力であり、リーダーシップではないでしょうか。

まとめ

孫子の兵法の中に、「これは!」というビジネスヒントが多く隠されています。現在でも多くの経営者が愛読書にしているほどですから、その内容がいかに素晴らしいかがわかるでしょう。
実際のビジネスの現場ですと、例えば思わぬ場面で同業他社が参入してくることもあるでしょう。そのような時はどうしても正攻法で対抗しがちですよね。価格を思い切って下げたり、違うモノを勧めてみたり。しかしそんな小手先が通用しないのは、これまでも経験があるのではないですか?

そこで孫子が記すところの「兵は詭道なり」の格言を実行しましょう。あなたの会社しか、またはあなたにしかできない何かがあるはずです。それがサービスなのか?提案なのか?それはわかりません。しかし付加価値を付けることによって、それが顧客にとって利益となり、オンリーワンになるかも知れないのです。
どうか無用な戦いを避け、リスクをなくし、最大限の利益を手に入れてみて下さい。

今回は「孫子の兵法」についてお話しましたが、是非こちらの「勝つための立ち回り」という部分をあなたのものがたり起業に生かしていただければ嬉しいです。