心をつくし|吉田松陰の名言

「心をつくし」とは、自らの能力を出し惜しみすることなく全力で事を為してくださいという、吉田松陰からのメッセージです。現代はビジネスにおいて【効率化】ということが貴ばれる傾向があります。仕事をする上では本当の無駄は省かなければいけません。しかし、効率化に気をとられるあまり、手抜きの仕事をするようでは本末転倒といえるでしょう。

心をつくし(原文と解説)

「心をつくし」の原文と訳、解説を見ていきましょう。

原文

『願はくは心をつくし力を尽し(つくし)、薀(うん)を発して惜しむなかれ。』(嘉永二年閏四月七日「児玉君管美島軍事を拝するを賀する序(こだまくんかんみしまぐんじをはいるするをがするじょ)」より)

(訳)『できるなら、どうか、心をつくし、能力をつくし、また、これまで蓄えた力を全て発揮して、出し惜しむことのないようにしてください。』

解説

嘉永二年閏四月七日というと、吉田松陰は二十歳の頃、長州藩内の海岸を巡視する業務に任命された年です。松陰が任命された仕事は【海防掛】というものでした。藩内の日本海沿岸の防備を調査する仕事です。

この年、松陰は海の防衛について兵学者としての立場から意見した書類「水陸戦略」、そして北浦沿岸の防備体制を巡視した記録書「廻浦紀略」を記しています。これらは自身が与えられた労務の報告書でしょう。

記録から見ますと、この「心をつくし」は、それらの調査をし、書物を記す前にしたためられた文書ということになります。

松陰は小さい頃から叔父の玉木文之進(たまきぶんのしん)によってスパルタ教育を受けており、十分な学識を積んでいました。

「心をつくし」を現す前年には、松陰は、すでに山鹿流兵学の独立師範となり、一人の講師として明倫館の教壇に立っています。そのときにすでに藩主・毛利敬親(もうりたかちか)に対して初めての意見書を提出していたほどでした。

この「心をつくし」の文書も、教育者としての意欲や意気込み、高揚感が現れた書と言えるでしょう。

ビジネスも【心をつくす】ことが大切

現代においても仕事は、心をつくすことが大事です。効率良く仕事をこなすという言葉は、一見カッコよく聞こえる表現ですね。

特に最近では自分の仕事を給料に換算して、【効率の良い仕事】ができるタイプが、真に求められている人材だと錯覚している人が多いようです。しかしそれは間違いと言っていいでしょう。

【効率化】にばかりこだわる人は結局仕事ができない人?

仕事の効率化を求めるあまり、あなたの仕事が【手抜き】の仕事になっていませんか?仕事が出来る人とは、単に仕事量をこなせる人ではありません。

そつなく課題をこなすだけの仕事内容は、自分を出し惜しみした業務をしている可能性があります。そのような仕事ばかりしていては、あなたの成長は止まってしまいます。仕事からの本当のフィードバックがないからです。

徹底的に自分を尽くして仕事をした人は、その業務を通して【自分の血肉】や【財産】を獲得できるといえるでしょう。

某企業において、新人でも評価される仕事をする社員は、見える部分の効率化のために陰で隠れた努力をしているという事実があるようです。

仮にその状態が数年続いたらどうなるでしょうか?手抜きばかりして自分に何も身につけずに過ごしてしまった社員との間の【実力】の開きは、相当に広がってしまうと言えますね。

【無駄】を失うと【チャンス】も失う?

仕事に対して【お金】【労力】【時間】のコスパばかり求めていませんか?仕事で学んだ内容は、すぐに成果につながるものばかりではありません。しかし一見無駄と思える【投資】をしなければ、本当のチャンスも得られないものです。

たとえば「こんなことは意味がない」と思っていた会合やつきあいで、素晴らしい出会いがある場合もあります。

仕事の実務に関しても、努力がすぐに成果になって現れることは、残念ながら少ないかもしれません。ですが、仕事への【投資】や【努力】は、後で役に立つことがあります。ゴールの設定も大事ですが、プロセスも大切。長い目で見れば引き出しは多い方が、有利といえるからです。

以下のサイトでは、【労力】と【時間】のコスパを考えた、出来る限り最短での本当の【自分への投資】をご案内できますよ。

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本当の【効率化】とは

【効率化】を試みた方が良い部分もあります。たとえば、身の回りの整理整頓に心がける、パソコンやアプリを早く操作できるようになる、ことなどがあげられます。具体的に言うとタイピングの速さなどの「個人スキル」を高めるということですね。

そして日頃から仕事以外の時間にも、ビジネスに関する情報収集を欠かさず、勉強をし続ける姿勢も大切です。そうすれば、仕事で新たな課題に直面しても、解決できる糸口をいち早く見つけられる可能性があるからです。オフの時間に仕事のための準備をすることが、仕事の現場での効率化に結びつく場合も。

また案件の優先度を考えて仕事のスケジューリングを組むなどの工夫も、するべき【効率化】と言えます。

そういう意味では「無駄な時間は作らないように動く」「時間を大事にする」ことは重要です。それが出来る人は結局「仕事の全体像を把握」出来ているから、効率化が可能になるといえるからです。

これらのようなことが、真に効率化すべきポイントといえるでしょう。

「心をつくし」は真の効率化を勧める言葉

本当に効率的な仕事をするためには、回り道や勉強・陰の準備など【自分への投資】が欠かせません。

すぐには成果にならなくても、努力したことは必ずライバルとの歴然とした差になって現れることでしょう。

あなたも【丁寧な】仕事を心がけてみませんか。毎回【心をつくして】仕事をすれば、その経験はきっとあなたを成長させてくれます。