皆さんは「野口英世」という人物にどういった印象をお持ちでしょうか?
1000円札の肖像画としてのイメージが強い人物かもしれません。
野口英世は細菌学者として活躍した医師であり、黄熱病(おうねつびょう)・梅毒の研究で功績を残しました。
幼い時期に左手を火傷を負い、左手が不自由になりながらも勉学に励み、医者や研究者として活躍した姿は世界に衝撃を与えました。今回はそんな野口英世の心にしみわたる名言を紹介していきます。
野口英世の生涯
1876(明治9)年、福島県猪苗代(いなわしろまち)に生まれた野口英世は1歳半の時に左手に大火傷を負ってしまい、左手が不自由になってしまいますが、そんな中でも勉学に励んでいました。学校でも1番の成績を取るようになると火傷を負っていた左手の手術を受けることになります。会津若松で開業していたアメリカ帰りの医師・渡部鼎(ワタナベ カナエ)の下で左手の手術を受け、不自由ながらも左手を動かせるようになった野口英世は、これ以来医者を目指すようになりました。
福島から上京し医学を修めると、医学の研究者としての性格を強めるようになっていた野口英世は海外留学を志すようになります。当時、最新の西洋諸国医学を学びたいという思いを持つのは自然なことだったのかもしれません。かくして海外留学としてアメリカで最新の医学を学ぶことになったのです。
医学的な功績としては「病原性梅毒スピロヘータの純粋培養に成功」などの論文発表で名を挙げた野口英世はまだワクチンのなかった黄熱病(おうねつびょう)の病原体発見のため、当時、黄熱病が大流行していたエクアドルへ赴きます。黄熱病(おうねつびょう)とはサル、ヒトおよび蚊を宿主とし、蚊によって媒介される疾患で発病すれば致命率は20%と非常に高い病気です。
野口英世は黄熱病研究に残りの人生をささげ、メキシコやペルーなど各地で研究を行いますが、野口英世自身も最終的に黄熱病(おうねつびょう)に感染し死亡してしまいます。しかしながら野口英世に続く者も多く、現在では黄熱病(おうねつびょう)のメカニズムは解明されています。
野口英世の名言
ここからは野口英世の名言にフォーカスしていきます。
「人の一生の幸も災いも、自分から作るもの。周りの人間も、周りの状況も、自分から作り出した影と知るべきである。」
これは野口英世自身の左手のハンデについて語った言葉です。
幸も幸いも自分から作るものという部分はすべては自らを移す鏡であるということです。特に最近は自分が置かれた環境や現状に自分は悪くない、周りの環境が悪いという考え方が多いように感じます。そうではないのです。逆に言えば与えられた環境がみんな平等であるということはありえないのです。だからこそ与えられた環境で前を向いてやっていくべきだということです。
現状に満足していないならば、それはすべて自分が招いたことであるという風に捉えて出来ることを考えていくことの方が建設的(けんせつてき)です。「努力だ、勉強だ、それが天才だ。誰よりも、3倍、4倍、5倍勉強する者、それが天才だ。」誰よりも努力するものが天才と呼ばれるということです。その努力が出来る人物は非凡であり、そのことがわかっている人物が天才と呼ばれる領域にまで到達できるのかもしれません。
「模倣(もほう)から出発して独創にまで伸びてゆくのが、日本人の優れた性質である」
これは西洋に追いつけ追い越せの時代を生きた人物らしい言葉です。まずは真似をする、そこから新しい創造を行うというパターンは確かに日本人が得意とするものです。太平洋戦争で一面焼け野原になった日本は経済大国の一つになるまで繁栄することができました。このことも模倣から創造という日本人が得意とするが故だったのかもしれません。野口英世自身も、西洋に学びそこから創造につなげた人物でした。
「人生で変えることができるのは、自分と未来だけだ」
これはリアリストであった野口英世らしい言葉の一つです。
人生を変えるためには?
人生を変えたいと考えることは度々(たびたび)ありますが、人生を変えるためには自分を変えるしかないのです。そこから未来が変わっていくのです。もっと言えば逃げずに自分をかえるために行動しろということなのです。「一番肝心なのはあきらめないということだ.どん底だからこそはい上がるんだ。」最終的に成功を収めている人物はとにかく諦めが悪いことが共通点かもしれません。
どん底と言える状況から最後までもがき、這い上がった者が成功者と呼ばれるのかもしれません。あきらめなければ道は開けていく、野口英世の人生がそのことを体現しています。
結論
ここまで野口英世についてお話してきましたがいかがだったでしょうか。野口英世は日本が西洋に追いつこうとしていた明治の時代に力強く生きた日本人の一人です。そんな彼が残した名言は、力強く、現実的でシンプルです。これらの言葉は、現代に生きる私たちにも十分通用する言葉です。常に自分を前向きに奮い立たせるものなりそうです。
日本人であるならば、大人物である野口英世の言葉を胸に刻んで生きていきたいところです。