【交渉力の身につけ方】五代友厚から学ぶ交渉術

今回は今年の大河ドラマ「青天を衝け」でもキーポイントなる人物である「五代友厚」の物語から現代でも通用する交渉術のヒントを得ていきたいと思います。

 

映画『天外者』でも三浦春馬さんの最後の作品として話題になりましたよね。

 

ビジネスにおいて「交渉」は付き物です。ビジネスは基本的には契約によって成り立っており、いかに良い条件で契約を交わすかは非常に重要な部分です。契約を行う上で大切な要素として「信用」というものがあります。

これからビジネスを行う上で、パートナーに信用してもらうということが契約の第一歩ではあります。

五代友厚はどんな人物だったのか?

薩摩出身で明治維新の時代に活躍した人物で、大阪経済に尽力した人物で大阪証券取引所設立などの功績を残しています。

さらに、貿易、電信、印刷、紡績などの多彩な事業を興し、大阪経済の衰退を食い止める立役者となり、

「東の渋沢、西の五代」と称されるほどの大人物です。 

優れていた点

繋げることの天才だったと思います。

人と人、人とモノ、人とビジネスこれらを上手にコネクトすることに非常に優れていました。

 

特に明治維新後、藩債の整理による富豪や両替商の資産消失によって衰退しつつあった日本経済有数の都市であった「大阪」の再生に尽力しています。大阪再生の際には、最も重要視していたのは「信用」です。

 

当時の大阪では日本人の無知につけこんだ外国商人の不正行為が蔓延っていました。例えば購入料金の不払い、雇い人への賃金不払いなどです。行政としてこれらを厳しく取り締まり、安心して商売が出来る環境を整えることに成功しています。

 

これは五代友厚自身の気質によるところが大きいと言われています。五代友厚は薩摩出身であり、人としてのベースが薩摩藩の「郷中法度」によって形成されていました。

 

薩摩藩の「郷中法度」では武士道の実践が求められます。つまりは恥とされる行いは禁忌なのです。だからこそ大阪で蔓延る不正行為は五代にとっては許せないものだったのです。こういった姿勢は、「信用を大切にする近江商人」に凄くマッチしたとされています。

交渉における謀は要らない

「交渉を上手くなろう」と悩む人の多くは、相手との心理戦や小手先のテクニックで打開を狙おうとする風潮があります。

 

五代友厚は確かに交渉事や物事を進めていく上でのプロデュース力に優れていましたが、小手先のテクニック打開していたわけではありません。 

主張するべきことは主張する

交渉力とは現代では妥協点を探ることのようにとらえられるケースが多いですが、そうとも言い切れません。五代友厚がまだ若く薩摩で活動していた時代に薩摩を揺るがす大事件が発生します。それは「薩英戦争」です。五代友厚はこのとき捕虜としてイギリス艦隊に捕らえられてしまいます。

 

その際のエピソードとしてイギリス軍の提督は「更に市中に向かって砲撃を試み,兵士を上陸させようと思っているが,薩摩軍の兵士は強いのか。」と五代に尋ねます。

 

五代の返答としては「薩摩の武士には死を恐れる者は居ない。上陸すれば10万の武士が死力を尽くして襲い掛かるだろう。だから戦端を開くことは考え直した方が良い」と返答します。

 

これによってイギリス軍は薩摩への上陸作戦を諦めたとされます。

このエピソードから交渉では妥協点を探るだけでなく、主張するべきことは主張するという部分が重要であることも見えてきます。特に自らの信条から出てきた言葉は自然と説得力を持つこともこのエピソードから読み取れます。

まとめ

ここまで五代友厚のエピソードと交渉力というテーマとして語ってきましたがどうだったでしょうか。日本人は交渉力が弱いとよく言われる昨今です。その要因としては主張する力が弱いという事も一つの要因ではないでしょうか。五代友厚のように自分をさらけ出して主張することによって、難しい相手とも交渉できることはあるのではないでしょうか。

 

交渉の本質は対立する両者の協調です。現代ではグローバルにビジネスを行い、言語も文化も違う人とビジネスを行っています。だからこそ人間の本質が重要だと言えそうです。

 

五代友厚の交渉力を、あなたのビジネスに生かしていただけると嬉しいです。