【マンガ『キングダム』から学ぶ-人身掌握とは?】

「リーダーシップとはいったい何だろう?」その問いの答えを持っている人はなかなかいないもの。意味は何となくわかるけど、どこか漠然として明確ではありませんし、まるでスローガンのよう。だって「リーダーシップ!」と口にするだけで「仕事シテマス感」が出てくるでしょう?

今回は大人気の漫画「キングダム」になぞらえて、真のリーダーとは?また仲間とは?について色々とお話していきたいと思います。

リーダーシップの意味が理解できるだけでなく、共に働く人の心まで動かせる人心掌握術を解説していきましょう。

リーダーシップとは何か

あなたがするべきことは「おしゃべり」です。これは意外に思われるかも知れませんが、とにかく周りの人間と話をしましょう。

『キングダム』とは?

時は中国の春秋戦国時代、簡単に言えば秦国の戦災孤児だった少年信(しん)が天下の大将軍を目指すというサクセスストーリーです。

しかしこの漫画のキモは、信が偉くなっていくという立身出世伝だけではありません。物語に絡んでくる様々な人間模様や出来事を通して、信がリーダーとして成長していく姿、そして彼を支える多くの仲間たちを描いた群像劇なのです。

初めは個人の武勇だけで百人将、千人将と出世していく信でしたが、やがて個の力だけではどうにもならないことに気付きます。数万数十万規模の軍勢がぶつかる戦いの中では、個の力には限界があったわけですね。

信にまつわるエピソード

例えば馬陽(ばよう)で趙軍を迎え撃った秦軍ですが、百人将だった信は敵将を討ち取るという武功を挙げました。しかし、その宿営地に武神こと龐煖(ほうけん)が襲い掛かってくるのです。
信は果敢に立ち向かいますがまったく歯が立ちません。ついに信は気を失い倒れました。もはや危うしと思えた時、多くの仲間たちが信をかばい、救おうとして散っていったのです。
初陣の頃から支えてきた同郷の尾到(びとう)も深手を負ってしまいました。ようやく気が付いた信は駆け寄りますが、尾到はすでに瀕死の状態。最後の息を振り絞って静かに信に語り掛けるのです。

「いいんだよ信。みんなお前と一緒に夢を見てェと思ったんだ。これからもお前はそうやって大勢の仲間の思いを乗せて天下の大将軍にかけ上がるんだ。」

決して自分ひとりでなく、支えてくれる仲間たちの力があるからこそ夢を実現できるわけです。またそう思わせてくれるリーダーだからこそ仲間は付いてきてくれるということですね。

信もまたそんな仲間たちへの思いをたびたび口にしていますよね。

「俺は関わった奴らの思いを背負って前に進むだけだ」
「ちんけな誇り何て持ち合わせてねェのが俺ら飛信隊の誇りだ!」
「戦は『数』じゃねェ『人』だ」

思わず読む者の心が熱くなるほどの情熱なのです。こんなリーダーの下でなら命を張りたくもなりますよね。
もちろん信が発する言葉の端々には夢がありますし、たとえ叶わない夢だったとしても、そこへ突き進むだけのパワーを感じるのです。

まさに背中を見せることで部下を引っ張る強烈なリーダー像を感じますよね。また信は部下に対して常々から「大将軍になる!」と風呂敷を大きく広げているわけですが、部下たちはその言葉を誰も疑っていません。
むしろ信を信頼して戦い、その夢を叶えてやろうとするくらいです。もちろん信が出世すればするほど部下たちの地位も上がるわけですから、まさに信とともにサクセスストーリーを体感していることになるわけです。
これはむしろ個人ではなく、組織として立身出世を遂げていくと言っても過言ではないわけですね。

まとめ

信が体現するリーダーシップとは、自分の背中を見せることで組織を率先して突き動かし、本来バラバラなはずの個を「集団」として何倍も増幅させる力を持つということでしょう。
またリーダーの成長とともに、組織もまた経験を積みつつ、大きく成熟していることにも注目ですね。

リーダーシップを発揮すること以上に大切なのは夢を見る力、いわゆる将来的なビジョンをどれだけ明確にできるかです。
リーダーが心に秘めているだけでは何も伝わりません。それを口に出してはじめて伝わるものです。思いの丈や将来の夢などを積極的に発信して、おしゃべりになりましょう。そうすることで部下もあなたの考えを明瞭に受け取り、具体的な方向性を理解してくれることでしょう。

信が「俺は大将軍になる!」と大言壮語したのと同じように、あなたの部下にも「俺は社長になる!」と言ってあげて下さい。そして「偉くなって、君たちと成功したい!」とぶち上げるのです。人を引っ張っていく力は、そんなところに生まれるのではないでしょうか。

今回は「漫画キングダム」についてお話しましたが、是非こちらの「人心掌握術」という部分をあなたのものがたり起業に生かしていただければ嬉しいです。