神社とお寺の違いを解説!いまさら聞けない参拝方法

この記事では、神社とお寺(寺院)の違いについて解説します。日本人にとっては非常に馴染みの深いお寺と神社。日本で生活していれば、誰もが一度はお参りしたことがあるのではないでしょうか。

冠婚葬祭にも深く関係する神社、お寺の知識は、一流のビジネスマンにとって不可欠な教養と言っても過言ではありません。今回は一目置かれるビジネスマンに必須な「神社と寺の違い」についての知識をお届けします!

神社とお寺の違い【宗教】

神社とお寺の最大の違い。それは両者の属する宗教にあります。まずは神社とお寺、それぞれの定義と違いを、宗教の話を交えてわかりやすく解説していきます。

神道の神社

神社は、神道という日本古来の宗教において、神様を祀(まつ)るための施設です。神道では太陽や海、川、雨など自然的なものだけでなく、学問や商売、人間が作り出した概念など、この世のありとあらゆるものに神様が宿ると考えられています(八百万【やおよろず】の神)。極端な話、そこらへんで拾った石や、家のトイレにも神が存在しているわけです。この八百万の神々をお祀りする場所こそが神社であり、日本全国に八万社以上も存在すると言われています。

礼拝の対象とするご神体は神社によって様々。日本神話で「三種の神器」とされる鏡や玉、刀の他、岩や山をご神体とする神社もあります。ご神体の多くは信者の本殿に安置されるため、参拝者がお目にかかることはできません。

神社はその格式や歴史によって、「大神宮」、「神宮」、「宮」、「大社」、「神社」、「社」などに分類されます。

仏教のお寺

お寺は、仏教を信仰する修行僧が寝泊まりし、宗教活動を行うための施設です。インド発祥の仏教は、中国を経て飛鳥時代に日本にやってきました。宗派によって細かい違いはあるものの、日本の仏教では基本的に開祖のお釈迦様や仏様を崇拝対象とします。

先述のように神社では原則としてご神体を見る事はできませんが、お寺ではお釈迦様や仏様を具現化した仏像に祈りを捧げることができます。

「修行を重ね善行を積むことで悟りを開き、死後に極楽浄土へ行ける」という教えが仏教の根底にある考え方です。

寺は全国に七万七千社ほど存在し、「〇〇寺」以外にも「〇〇院」という名称のお寺も多くあります(お寺の格式には関係ありません)。

神社とお寺の違い【聖職者】

神社に仕える聖職者には、祈祷や催事などを行い神に奉仕する「神主」、そして神主の補助的な役割を担う巫女がいます。

一方、お寺の聖職者は「僧侶(そうりょ)」、つまりお坊さんです。お坊さんのお仕事はお経を読んだり、仏教の教えを説いたり、墓地の管理をしたりなどと多岐に渡ります。女性のお坊さんのことを「尼」、住み込みで修行するお坊さんのことを「住職」と呼びます。

神社とお寺の違い【入口】

神社とお寺の違いで、視覚的にもっとも分かりやすいのが入口です。神社の入り口は「鳥居」と呼ばれ、二本ずつの柱と横木で構成されます。地図記号でも、鳥居は神社を示すマークとして使われていますよね。

この鳥居、実は神の住む神聖な領域(神社内)に人間界の穢れが侵入しないようにする結界としての意味をもっています。鳥居に魔除けの色である赤色が採用されるのも、神様の領域を守るためだったというわけです。

一方、お寺の入り口は「山門(三門)」と呼ばれます。入口の左右に大きな仁王像が設置されている寺院が多く、これがお寺を守る門番としての役割を果たしています。子供のころ、山門の両脇に立って鋭い睨みをきかせる仁王像に怯えた経験をもっている方も少なくないはずです。

神社とお寺の違い【参拝方法】

ここからは、神社とお寺の参拝方法の違いについて解説します。新年の初詣や、恋人とデートで参拝する時、「ヤバい、参拝の仕方ぜんぜん分からない!」と恥ずかしい思いをすることのないよう、しっかり確認しておきましょう。

神社の参拝方法

鳥居の前でまず一礼。神社の拝殿へ続く参道を歩きます。参道の中央は「神様が通る道」と考えられているので、左右いずれかの端を歩くようにしましょう。

その後、心身を清めるための手水舎(てみずや)で、両手と口をすすぎます。その際、直接柄杓に口をつけることは避け、左手に水を注いで口をすすぐようにしましょう。参道を通り拝殿に着いたらまず一礼し、賽銭(さいせん)箱に賽銭を入れます。

賽銭を済ませたら、いよいよ拝礼です。神社の参拝方法は原則「二礼二拍手一礼」。鈴を鳴らして神様をお呼びしたら、まずは二回おじきをします。その後手を二回打ち、両手を合わせながら祈りを捧げましょう。祈りが終わったら、手をおろし、最後に一礼して終了です。

  1. 鳥居の前で一礼
  2. 参道の端を通る
  3. 手水舎で手と口をすすぐ
  4. 一礼し、賽銭を入れる
  5. (あれば)鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼

お寺の参拝方法

お寺の参拝方法も神社とほとんど同じです。山門の前で一礼し、拝殿に向かって参道を歩きます。お寺の場合は中央を歩いても問題ありません。

手水舎で両手と口を清め、本堂へ歩を進めます。常香炉がある場合はお線香をお供えし、手で仰ぐように煙を体に浴びて心身を綺麗にしましょう。

本堂でお賽銭を済ませたら、お祈りします。注意したいのは、神社の「二礼二拍手一礼」に対し、お寺の場合は基本的に「合掌のみ」という点。拍手はせず、手を合わせて祈りを捧げます。

  1.  山門の前で一礼
  2. 手水舎で手と口をすすぐ
  3. 常香炉でお線香を供え、煙を浴びる。
  4. 賽銭をすまし、合掌する。

神社とお寺の違いを学んで教養あるビジネスマンに

この記事では「神社とお寺の違い」を解説しました。今回は神社とお寺の知識から、ビジネスのヒントを得ていただきたいと思っています。特に「神社とお寺の参拝方法」は必見。

美しい作法やマナーには、ビジネスマンとしての教養や知性が現れます。仕事でも恋愛でも、教養があり、美しい作法を心得ている人は魅力的。教養はビジネスマンとしての話のネタになるだけでなく、大人の魅力をあげてくれるものでもあります。いざという時に慌てないよう、しっかり教養を身に付けておきましょう!