福沢諭吉の名言を解説!現代人こそ学びたい「独立自尊」の生き方

日本の近代化を支えた男、福沢諭吉は数々の名言を残しています。欧米に学び、学問や医学、金融など様々な分野で日本を成長させた諭吉の言葉は、現代を生きる上でも重要なヒントで溢れています。人間関係や仕事に悩んでいる方は、彼の名言を参考にしてみてはいかがでしょうか。

この記事では「諭吉、どれだけハイスペやねん!」と突っ込みたくなるような彼の功績や、現代人こそ学びたい名言について解説します!

福沢諭吉の名言

福沢諭吉の代表的な名言が「天は人の上に人を造らず」です。聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。この一節があまりに有名な為、諭吉は「人類みな平等」精神の人だと思われがちです。しかし、この名言、続きを読むと意味が変わってきます。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり。(中略)されども今、廣(ひろ)く人間世界を見渡すに、かしこき人あり愚かなる人あり、貧しきもあり富めるもあり、(中略)その有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや」と続きます。

「天は人の上に人をつくらないとか言うけれど、実際のところ、世の中には貧富の差も身分の差も凄くあるよね」とし、その差は学問によって生じるものだと説いているのです。

「しっかり勉強しないと、愚かで貧乏な人間になってしまうよ」というわけです。決して「みんな平等!」という理想論者ではなく、しっかりと努力し、知恵を付ける事の重要性を説いていたのです。

福沢諭吉の名言【性格や人生観】

福沢諭吉の性格や人生観が分かる名言を解説していきます。福沢諭吉の功績を数えるとキリがありません。雲の上の人の様です。しかし、偉人と呼ばれるような人物でも、その性格を知る事で少し親近感を覚える事ができます。

  • 「今日も生涯の一日なり」
  • 「天は富貴(ふうき)を人に与えるのではなく、人の働きに与える」
  • 「未だ試みずして、先ず疑うものは、勇者ではない」

福沢諭吉は、行動し、チャレンジする事を何よりも大事にしていました。「挑戦してもいないのに、疑ってばかりの人間は勇者ではない」と言うように、あれこれ悩むよりもまず行動に移すべきだと考えていたのです。

そして一日一日の行動の積み重ねこそが、人生の明暗を分けると説いています。インテリではあっても、性格は熱血だったのでしょう。身近にいたらちょっと暑苦しいタイプかもしれませんが、このストイックさと情熱があったからこそ歴史に名を残せたのだとも言えます。

福沢諭吉の名言【学問】

「学問のすすめ」というベストセラー本を出し、慶應義塾大学を作った功績からも分かるように、福沢諭吉は学問の重要性を説いた人物です。諭吉の学問に対して、以下の様に考えています。

  • 「学問の本趣意は、読書に非ず。精神の働きに在り」
  • 「ペンは剣よりも強し」
  • 「賢人と愚者との別は、学ぶと学ばざるとによって出来るものなり」
  • 「学問をするには、なすべきことを知ることが大事である」

福沢諭吉は、学問こそが賢い者と愚か者を分けるカギだと説明しました。しかし、ただ本を読めばいいわけではありません。自分がやるべき事や目標定め、よく考えて学ぶべきだと言っています。

現代でこそ「勉強は大事!」と当たり前のように言われますが、当時はまだ幕府や士族の影響力が強く残っていた時代。そんな中「ペンは剣よりも強い!」と言い放った諭吉は、先を見通す力にも優れていたのでしょう。

福沢諭吉の名言【お金】

福沢諭吉は、「金銭は独立の基本なり、これを卑しむべからず」と言っています。お金は独立に不可欠な物だから、お金を稼ぐ事を卑しんではいけないと考えました。現代でも、「お金に執着するのはみっともない」と考える人は少なくありませんよね。しかし、お金にだらしない人は、賢い人や富裕層に利用されてしまうのが現実です。

お金に妥協する人は、お金に泣きます。諭吉も、お金への執着を否定せず、お金を稼ぐ力を身に付ける事が大事だと考えていたのです。

福沢諭吉の名言「独立自尊」

福沢諭吉は、「独立自尊(どくりつじそん)」の考え方を大事にしていました。アメリカやヨーロッパを訪れ、その先進性を目の当たりにした福沢諭吉。日本が外国に追い付くためには、日本人の一人一人が知識を付け、政府や国に依存しない事が重要であるとしたのです。

福沢諭吉の「独立自尊」は彼の名言にも表れています。

  • 「社会共存の道は、人々自ら権利をまもり幸福を求むると同時に、他人の権利幸福を尊重し、いやしくもこれを侵すことなく、もって自他の独立自尊を傷つけざるにあり」
  • 「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人にへつらうものなり」

少し難しい言葉が続きますが、要するに「人は独立しないと、他人や世間の顔色を伺う事しかできなくなってしまうよ」という事。他人に支配されない為には、知識を身に付け、自分の事は自分で判断できるようにならなければなりません。

しかし、他人に世話になっている状態では、どうしてもその人の顔色を窺わなければなりません。だからこそ福沢諭吉は、経済的な独立も重要だと考えたのです。

精神的にも経済的にも他人に依存する事なく、自分の生活は自分で支える。自分の人生は自分でかじ取りをする事が理想。そのように一人一人が独立した強い個人となれば、国全体も強くなると言っているのです。

現代人こそ学びたい福沢諭吉の名言

福沢諭吉が残した名言の数々には、現代人こそ学びたい点が多くあります。独立自尊。学問の道を極め、独立した個人になる為に努力した諭吉だからこそ、数々の偉業を成し遂げる事が出来たのでしょう。

  • ベストセラー「学問のすすめ」を発行した
  • 慶應義塾大学を設立した
  •  近代の学校制度を普及させた
  • 日本に西洋文化を普及させた
  • 保険制度や中央銀行等の制度を日本に伝えた
  • 伝染病研究所を設立する為に尽力した

ざっくり言えば、福沢諭吉は各方面で日本の近代化を支えた男です。インテリなエリートかと思えば、居合の達人でもあったというから驚き。文武両道の超ハイスペック男だったのです。

福沢諭吉の「独立自尊」は、現代でも必要な考え方です。現代社会に生きていれば、立場を気にして人の考えに同調したり、組織に依存してしまったりする事もあるでしょう。そんな時こそ「独立自尊」を思い出して、自分の頭で考え、決断する事が大事です。

知識を身に付け、勇気をもって下した決断は、決してあなたを裏切りません!