千古一道|吉田松陰の名言

「千古一道」とは、いつの世も変わらない考え方・人間としての姿勢を表現する言葉です。そして、人が豊かな人間になって行くためには、様々な見聞を広めることこそ「千古一道」であると、吉田松陰は説いています。常に新しい知識や考え方を求めつづけた松陰に、あなたも学んでみませんか。

千古一道

千古一道の原文と解説を以下に見ていきましょう。

原文

「有志の君、千古一道(せんこいちどう)、要は目を明(あきらか)にし聡を達するに帰すると、竊か(ひそか)に感嘆し奉る所なり。」(嘉永六年八月「将及私言(しょうきゅうしげん)」)

 

訳「志のある君主たるの道、それはいつの世にも一つであり、不変である。要点は見聞を広め、人々の意見を聞くことである、と。人知れず、感心し褒めたたえています。」

解説

「千古一道」とは「いつの世でも一つの道であり、不変のこと」という意味です。何が一つの道であり、不変なのでしょうか。それは、昔の聖人の立派な教えのように、広く世間のことを見聞きし、みんなの意見をよく聴ける人物となるためにはどうしたらいいかの答えです。

そのような立派な人物となるためには、たくさんの読書をして、賢い人たちの意見に良く耳を傾けることが大事だ、それはいつの世でも同じことなのだと言っています。

この言葉が述べられた「将及私言」は、黒船が来航したときに吉田松陰によって書かれた意見書です。そのとき、松陰は浪人の身でありながら、藩に対して幕府批判となるような内容の書類を敢えて提出したのでした。嘉永6年(1854年)のことです。吉田松陰24歳の時でした。

中味は外国船を武力を持って打ち払え、という内容でした。24歳の若者と様々な見識を持っていた幕府の重鎮とでは思慮に差があるのは当然です。この「将及私言」は、松陰の若さゆえの無謀さが現れた書類でもありました。

しかし、そこには松陰の国を想う熱意と、異国への憧憬があふれていました。松陰は一見極端な攘夷論を唱えながらも、新しい文化や知識を学びたいと熱心に望んでいたのです。

吉田松陰は若い頃、東北や江戸への遊学を重ねました。そして「将及私言」をしたためた後には黒船への密航を試みています。松陰は常に広い見聞を得たい、新しい知識を得たいという意欲に跳んだ人物でした。

見聞を広めるとは

「見聞を広める(けんぶんをひろめる)」という意味をご存知でしょうか。あらゆる情報を見たり聞いたりして、学んで自分の考え方の基礎部分を広げる、という意味です。用例を考えると、主に若い人に対して使われることが多いようですね。

「社会に出る経験をすれば、見聞を広めることになるよ」などの言い方で使用されます。社会に出るということは、お金を稼ぐという経験、バイト先でのあらゆる経験など学業の生活だけでは体験できない事柄が多く含まれています。

それらの経験からたくさんのことを学ぶだろう、という意味ですよね。「見聞を広める」ことは、あなたの人生を内面から豊かにしてくれることと言えるでしょう。

見聞の広めかた:5選

見聞を広めるには、色々な方法があります。その中の5例を下に記しました。

読書をする

書籍による情報量は、絵が主体のマンガよりもはるかにたくさんの知識量になります。また、ネットの情報よりももっと深く詳しいもの。

「作り物」と思える物語や小説も、作者の経験談や新たな考え方が巧みな表現で表されており、あなたは知らない世界を体験することができるでしょう。

勉強をする

読書をする、につながる考えでもありますが、大人になっても勉強する姿勢は大切です。学生時代の勉強はその後新たな知識を得ようとするときに基礎となりますから、もちろん学生時代の勉強も大事ですね。

しかし、学校を卒業しても、あらゆることに知的興味を失わず学び続けましょう。

世界は日々進歩・変化しており、常に新たな知識や考え方が必要とされるからです。

旅行をする

国内・国外問わず旅行をすることも、自分の見聞を広めることに繋がります。

歴史や地理だけではなく、食べ歩きやあらゆる観光で見聞き・体験したことがあなたの内面の財産になります。

旅先ではないと得られない経験があり、驚きがあるでしょう。普通に旅行を楽しむだけでも、それはあなたの良い体験になるはずです。

新しい趣味を持つ

趣味を持つことは、1つのことを深く掘り下げることになります。普段表面的な事しか知らなかった事柄に対して、深い知識を得ることも。

例えば何かのスポーツを趣味にしますと、そのスポーツに関してルールや選手・その周辺に関係するあらゆる情報に詳しくなり、それに対して奥深い認識を持てるようになります。

何かを詳しく知ることは、あなたに新たな物事の見方を提供してくれるかもしれません。

色々な人と交流する

自分と年代が違う人、普段あまり付き合わないタイプの人と付き合ったり、話を聴いたりすることは、自分の見識を広めてくれます。

人は自分と話が合う、付き合いやすい人とばかりお付き合いをしがちですが、それは楽なことだからです。

敢えて、今までと違うタイプと話をすると、自分が気が付かなかった見方を知ることになり、あなたの世界観を豊かにしてくれるでしょう。

「千古一道」は、あらゆる知恵を総括する基本

「千古一道」は、その前後の文章を合わせて読み、理解する必要がある言葉です。本文でも述べた通り「見聞を広めなさい」ということは、若い人に言われることが多い言葉だとされます。

ですが、見聞を広めることに老若は関係ありません。人間は生きている限り、常に学び続け、考えを新しくしていくことが大切です。その先に人生の新しい可能性が広がると言えるからです。

こちらへお問い合わせいただくと、新しい考え方を手にすることができます。

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