武士道の「誠」とは?侍の神髄「誠」の意味

武士道の誠とは、現代においては人からの「信頼感」であり、「誠実さ」であると言えます。武士は武士道における「誠」を、命に代えても行なわなければならないと思うほど大切にしていました。しかし今のビジネスシーンでも「誠」を実践できる人は、必ず仕事相手に評価を与えてもらえると言えるのです。誠について学んでみませんか。

誠とは何か

誠とは武士道の中の、7つの基本理念の1つです。武士道とは儒教を取り入れた思想で「義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義」を基本としています。

誠の字を分解すると「言ったことを成す」と書かれているのがわかります。「言ったことを成す」とは、発する言葉に真実を持つという意味ですね。つまり嘘をつかないということになります。「武士に二言はない」という言葉もあるくらい武士は言葉を大切にしており、証文なしで約束が成り立ったくらいなのです。

証文を書かないと約束が成り立たないということは、武士としての体面が保てなくなることだと考えられていました。嘘をつくと法で罰せられたわけではありませんが、武士としてたいへんに不名誉なことと考えられていたのです。武士は誠の対極である「嘘つき」「不誠実」を嫌い、それらを行なう人間を人として最も卑しい者であると評していました。

誠とは、武士が命に代えて実行しなければならない「徳」でした。ですので、人に対して真実を為すことこそ、誠の精神であると言えるのです。今の時代で言うと、信頼ができる人物であること、誠実な人柄であることが大切だ、ということでしょう。

現代に活かす誠の精神とは

誠の精神とは、古臭い考え方ではありません。誠の精神とは、現代に言い換えると「信頼がおけること」であり、「誠実」であることなのです。

誠とは「人からの信頼」

武士道における誠の精神とは、現代の表現に言い換えると「人からの信頼」であるとも言えます。たとえば、仕事の期限を守ることができれば、相手はあなたに安心して次の仕事を任せようという気持ちになります。それはあなたに対する上司やクライアントの「信頼」と言えるでしょう。

信頼を細かく分析すると以下のようなことです。

  • 言葉や行動に一貫性がある
  • 約束やルールを守る
  • 自己管理ができる

一貫性がある人は、行動予測を立てやすいという面で、他人から信頼を持てる相手と感じてもらえます。行動の予測がつきやすい人には、相手も業務の準備を行ないやすいため、仕事がしやすい人と評価されるからです。そのときによって態度が変わる相手であると、行動が予測しにくく、仕事のパートナーとしてはやりにくいと思われてしまうでしょう。

次に、約束やルールを守ることも、信頼を得るために大切なことです。相手との約束が守れるということは、「無理な約束」「出来ない約束」はしない人ということ。ですから、自分の限界をよく分かっている人と言えますね。

また、上記2つを守るためには、きちんと仕事をするための体力・知力を維持できなければ、不可能です。ですので、普段から体調管理を含めて、自己管理が出来ている人も「信頼」できる人間評価につながるでしょう。

以上の3点からも、人からの「信頼感」は、ビジネスシーンにおいても大事であることがわかっていただけるのではないでしょうか。

誠とは「誠実な生き方」

「誠実」という言葉の中にも「誠」が含まれていますね。一般的に言っても、誠実な人は他人から愛されやすいと言えます。人に愛されることは、ビジネスをする上でも大切なことです。

誠実とは、嘘をつかず、裏切らないということ。このような人は、相手に精神的な安心感を与えます。

誠実さを体現するためには、自分に厳しく細かいことでもおろそかにしない姿勢、私利私欲に走らず他人を大事に想う態度が必要です。つまり誠実であることを目指すためには、高い人間性を目標にしなければなりません。

一見、経済活動であるビジネスと人間修養は関係なく見えるかもしれませんね。ですが、企業活動も結局人間関係なのです。良好な人間関係が築けてこそ、その人から物やサービスの提供を受けようという気持ちになるものです。

誠実でない人が作った物やサービスを購入しようとは思いません。その人の商売自体が信じられなくなるためです。

他人から愛着を持たれずに、商売をしたり、物を売ったりすることはとても難しいことです。人に愛されるにはまず「誠実」であること。ですので「誠実」な人間であることは、ビジネスシーンにおいても強く求められることと言えますね。

誠の精神を生きることが大切

信頼のおける人物であること、誠実な人間であること。これらは現代のビジネスシーンにおいても必須な要素であることはわかっていただけたと思います。

武士の時代にはこれらは「誠」という一言に集約されていました。

そして、武士はこの「誠」を行なうために命をかけていたのです。それほど「誠」の実践を大切に思っていたと言うことができますね。

現代ビジネスの現場でも、かつての武士のように真摯(しんし)に「誠」を行なおうとする人物こそが他人から高い評価を得られると言えるのではないでしょうか。

現代の「誠」を学べる場がこちらです。

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