【スラムダンクから学ぶ】チームビルディングとは?

社会人になると、組織で働くことがほとんどですよね。学生時代と違って、自分ひとりで成り立つ仕事はあまりありません。会社なり、取引先なり、誰かと一緒に仕事を進めていくことがほとんどです。その誰かと一緒に、は言い換えると「チーム」となって進めていくわけですが、そこの難しさを痛感している人は多いでしょう。特にプロジェクトを任されて「リーダーシップを発揮しろ!」なんて言われると、部下や後輩とどうやってプロジェクトを動かしていくか、難しいですよね。私も会社で働いていると「人とやるより自分ひとりでやった方が簡単だよ!!!」なんてイライラしてしまったりもします。だって、自分ではない他の人と意志の疎通をするのって難しくないですか?仲の良い友達や家族ならまだしも、会社の人とか、仕事上の付き合いで個々人の力を発揮するのは難しいです。成果を出していける「強いチーム」「成功するチーム」を作るにはどうしたらいいのでしょうか。

成果を出していける「強いチーム」「成功するチーム」とは

そもそもチームとは何なのか、というところから考えて、先に話した「強いチーム」「成功するチーム」の作り方を見ていきたいと思います。チームの最大化が課題のあなた、そのコツが見つかりますよ。
今回はスラムダンクのものがたりから、あなたのビジネスのヒントを得ていただきたいと思っています。

スラムダンクのあらすじ

ではここから漫画「SLAM DUNK(スラムダンク)」の話をしていきましょう。

湘北高校入学し、バスケ部の勧誘で声をかけてきた可愛い女の子に一目惚れしてしまった桜木花道。真っ赤な頭のヤンキーだった彼は、彼女に好かれたい一心で、未経験のバスケットボール部に入部します。SLAM DUNKは、高校バスケットボール部を題材にした少年漫画です。

最初は地道な練習に不満を募らせながらも、花道は持ち前の身体能力と負けず嫌いな性格から、どんどん上達しバスケの面白さにのめり込んでいきます。

湘北高校バスケ部は、かつては白髪鬼と恐れられ現在は白髪仏として穏やかな安西監督を指導者に、キャプテンはゴール下のキングコングと呼ばれるセンターの赤木剛典憲、副キャプテンのメガネ君こと小暮公延、怪我をきっかけにグレてしまったもののバスケが好きで戻ってきた三井寿、小柄ながらバスケセンス抜群の宮城リョータ、中学時代からスタープレイヤーとして注目されてきた流川楓、そして主人公の桜木花道がメインの選手です。

後に最強のチームとなり、全国制覇を目指すほどの実力を付けていく湘北バスケ部ですが、最初から強いチームだったわけではありません。

キャプテンの赤木と小暮、三井は同じ学年です。赤木の全国制覇を目指す気持ちがあまりに強すぎて、彼らの学年の他の部員はついてこれずに辞めてしまいました。

三井は中学生時代、県のMVPを獲得したほどの上手な選手でした。しかし、同じ1年生として入学した赤木が長身のパワープレイヤーだったとても目立ったことや、三井が怪我をしてしまったことなどから、途中挫折して不良になりバスケから離れてしまった時期がありました。

また、宮城リョータも怪我で入院していた時期があります。リョータが退院し復帰した際には、三井がバスケ部を襲撃するという暴力事件もありました。結果的には三井はバスケ部に復帰し、暴力事件もバスケ部の責任問題からは免れますが、部の存続の危機だったと言える大きな事件でした。

湘北バスケ部は、決して順風満帆に強いチームであったというわけではありません。
むしろ、逆風が多く、困難な時代が長かったと言った方がよいでしょう。

新入部員の花道と流川に至っては、破天荒な性格で周囲を驚かせてばかりの花道は、当初バスケをバカにした発言をして赤木が入部を断るほどの異端児で、初心者だったので実力もありませんでした。流川は実力は十分にあったものの、周囲とコミュニケーションを取れるタイプでもなく、ワンマンなプレイばかりで、花道ともぶつかってばかりでした。

こんなバラバラなチームが、インターハイ3連覇の王者、山王工業高校を倒せるほどの実力をつけた、強い、成功するチームと成り得たのはなぜでしょうか。

チームビルディングとは?

それを考えるために、次はチームビルディングのことをお話していきます。
「チームビルディング」とは、チームのメンバー個々人の経験をもとにスキル・能力などを最大限に発揮して、何か目的を達成するために取り組むことです。

「チーム」は「グループ」とは異なります。グループはメンバーが集まってつくるものですが、チームは何か必ず目指すもの、目的があるのです。

先に、強いチームを作るためにすべきことは、「仲間をよく見てお互いに助け合うこと」「チーム内で仲良くすること」……などではなく、「あなた自身が全力を出すこと」だと述べました。

これはどういうことかと言うと、前者は「チームワーク」なんですね。チームワークは、1人ではできないことをチームのメンバーで協力することで成し遂げることです。
「チームビルディング」は、このチームワークに、個々人がお互いの強みを認め合う、個々人が成長していくことなども必要になってきます。

タックマンモデルとは?

ではそのためにチームビルディングはどうやって進んでいくかというと、心理学者タックマンが提唱した5段階の「タックマンモデル」をご確認ください。

①形成期…メンバーが集まったばかりの時期。お互いのことをよく知らず、チームの目的も不明瞭です。次の段階に進むためには、お互いを知り目標達成の障害になっているものを知ることです。

②混乱期…チームの目標に向かってプロジェクトを進める時期ですが、お互いの発言に目が行きがちな時期で、価値観や考え方が違うということで意見の対立が起こりがちです。次の段階に進むには、意見の対立を恐れずに議論を通じて相互理解を深めること、チームの課題なども解決方法を考えていくことです。

③統一期…意見を出し合ったことで相互理解が深まった段階です。役割分担やチーム目標の設定など、全体が主体的に納得できるように、全員が主体的に動くことが次の段階につながります。

④機能期…チームとして機能している段階です。メンバーひとりひとりの自立的な行動やお互いのサポートで、チームとしての成果が出てきます。

⑤散会期…メンバーが抜けることや、プロジェクトの終了などでチームでの取り組みが終わる段階です。

スラムダンクの湘北バスケ部をこの5段階において見ていくと、しっかりとした②混乱期、③統一期があったたから、その後の④機能期に繋がったのでしょう。

結論

湘北バスケ部は、チームビルディングが進んでいく家庭を表した、心理学者タックマンが提唱した5段階の「タックマンモデル」にもある、しっかりとお互いの意見や価値観考え方を理解するための対立、議論がなされてきたのでしょう。

チームは、リーダーが明確な目的を提示してそれに向かってメンバーが意見をぶつけあっていくことが重要です。そして、しっかりと相手のことを理解し、信頼することでチームが機能する段階に入っていくんですね。

さて、ここで冒頭にお話しした「あなたが全力を出し切ること」の話に立ち返ります。メンバー同士が、リーダーの提示した目標に向かって意見をぶつけ合う必要があるとお伝えしてきています。

そのために、まずはあなたが全力を出すのがスタートです。

赤木が「全国制覇」と謳い、個性豊かなメンバー達がそれぞれ力を発揮しました。はじめはトラブルがいっぱいだったメンバーも、ぶつけ合う意見やそれぞれが努力する姿をお互いに見て、信頼関係が生まれましたよね。慣れ合いやお互いをサポートし合うだけではいけません。ぜひ、喧嘩はいけませんが思いっきりメンバーとぶつかりながらお互いの理解を深め、信頼関係を作ってください。

今回は「漫画スラムダンク」についてお話しましたが、是非こちらの「チームビルディング」という部分をあなたのものがたり起業に生かしていただければ嬉しいです。