武士道の「忠義」とは?現代にも通じる武士の精神

武士道の「忠義」とは、主君に対する忠誠心です。武士は自分自身よりも国のことを考え、主君への忠義は家族や義理人情よりも優先すべきものでした。相手に対し真心を尽くして真っすぐに向き合う精神は、現代においても求められること。今回は武士道の忠義や現代に通じる武士の精神について解説していきます。

武士道の「忠義」とは

武士道の忠義とは、主君に対する忠誠心。武士道の基本理念「義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義」のうちの一つです。

江戸時代、武士は主君に仕え「御恩と奉公」に準ずる主従関係を結んでいました。家族やお世話になった人、さらには自分自身よりもまずは国のことを考え主君に仕える、それこそが武士のあるべき姿だったのです。

とはいえ主君に媚を売り機嫌を取ることが忠義ではありません。そのような行為は軽蔑され、主君と意見が割れたときには反論をしました。堂々と自分の意志を伝えまっすぐな気持ちで接することが、主君への忠義立てなのです。

現代において主君に仕える、国のために戦う、ということはありません。しかしながら相手に対して真心を尽くして接し、人のために行動をすること、それは今も昔も変わらずに求められる精神です。

忠義は武士道の目的となった徳目

武士道のうち「義・勇・仁・礼・誠・名誉」は、中国の思想家である孔子の思想を基礎とした教えである、儒教に基づいています。

しかし忠義だけは、武士道の目的となった徳目です。

武士道は封建時代であった当時、御恩と奉仕の関係が保てなくなったことをきっかけに政府が推し進めたものです。平和な時代が続き戦も起きなくなると、御恩は給料制に。すると武士たちは、主君や国のために奉公する精神を失ってしまいました。

武士道は相手を思いやる気持ちや上下の秩序を守ることなどを唱えています。それこそが武士に求められた精神、そして目的となるのが最後の徳目、忠義なのです。

【武士道・忠義】現代人が学ぶべき武士の精神

武士道の目的であった忠義ですが、私たち日本人の心には武士の精神が宿っています。ビジネスにおいても忠義の心は欠かせません。ここからは現代人が学ぶべき武士の精神を見ていきましょう。

相手に対して真心を尽くし接する

相手に対して真心を尽くして接することこそが、忠義。武士は自分や家族よりも主君と国のことを第一に考え行動しました。

現代における忠義とは、身分や階級は関係なく接する相手全てに真心を尽くすことです。

起業をするとき、信頼関係はゼロからのスタートです。信頼関係を築き上げるものこそ、嘘や偽りのない真心、つまりは忠義。そしてそれは上司や取引先ではなく、部下に対しても同じです。

他人を出し抜こうと嘘の情報を教えたり、裏で卑怯な行いをしたりすることは、武士の精神に反しています。立場を利用して人を陥れる人間を、信用する人などいませんよね。

誰に対しても真心を尽くして接することができれば、信頼関係は自然に成り立っていきます。経営者の精神や態度は、共に働く人たちに大きな影響を与えます。あなたの姿を見て、周りの人間もあなたに忠義を尽くすようになるのです。

自分の発言や行動に責任を持つ

「武士に二言はない」ということわざがあるように、武士は一度した発言や行動を撤回することはありませんでした。いつでも自分の行いに責任を持ち、約束はしっかり守ったものです。

嘘を付いたり約束を破ったりする行為は、武士にとって不名誉なこと。そして自分自身の名誉を守り責任を課すことが、武士にとっての忠義でもあったのです。

人はときに一度決めたことを諦めてしまったり、自分の発言に責任が持てなかったりすることがありますよね。一度や二度は許されても、組織のトップである以上自分の発言や行動に責任を持たなくてはいけません。

あなたに従う人たちは、あなたの背中を見て成長します。いつでも誰に対しても忠義を尽くして責任のある発言と行動を取るのが、人としての道理であり最高のトップなのです。

世のため人のために行動する

武士にとっての忠義は、自分や家族よりも国を考え主君に仕えることという話をしました。武士道の忠義を現代に置き換えると、自分のためではなく世のため人のために行動することです。

武士は常に私欲は持たず、命がけで戦うことが求められました。武士道の目的である忠義、すなわち御恩のためではなくいつでも国のため主君への奉公のため、戦ったのです。

人はどうしても、私利私欲を捨てられず損得を考えて行動をしてしまいがちです。自分の欲しいものを手に入れたい、自分が得をすれば良い、それは自分中心に物事を考えてしまう精神が原因。

利益や地位に囚われて生きることは、自分にとっても苦しいことです。私欲や損得勘定をコントロールできるようになることで、世のため人のために行動することが幸せに満ち溢れていると、気づけることでしょう。

自分よりも周りを優先できる人の元には、多くの人が集まります。そして人が集まるところには、利益や名誉が生まれるものです。

現代人に求められるのは忠義の精神

主君に対する忠誠心であった、武士道の忠義。人に対して真心を尽くして接すること、自分よりも世のため人のために行動すること、現代においても求められる精神ですね。経営者は業績や実力だけではなく、周りの人があなたについていきたいと思う人間性も必要です。忠義の精神を学び、経営者として素晴らしい生き方を目指してみてはいかがでしょうか。