【簡単解説】仏教の教えから学ぶビジネスマンの利他精神

日本人にとって非常に馴染みの深い仏教。その教えは、より素晴らしい人生を送るためのヒントに溢れています。

今回は、人生に役立つ仏教の教えや、仏教の起源を簡単に解説していきます。一流のビジネスマンになるための教養としても仕えるので、ぜひ最後まで読んでいってください!

仏教って?

仏教は、キリスト教、イスラム教と並ぶ世界三大宗教の一つです。飛鳥時代に日本に伝来し、それ以降、日本人にとっては非常に馴染みある宗教の一つになっています。

日本では故人をお寺の墓地に埋葬します。お寺は仏教の教えに基づいて建てられた宗教施設で、お経を読む「お坊さん」は出家して仏門に入った人のことを指します。ですから、日本では仏教に基づいた葬儀がメジャーというわけですね。

お寺はパワースポットや観光地としても人気です。日本人にとって、日本を訪れる観光客の方々にとって、仏教はとても身近な宗教だと言えます。

仏教の起源は釈迦の教え

仏教の起源は、紀元前450年ごろのインドにあります。インド・シャーキヤ国の王子、ガウタマ・シッダールダ(釈迦、釈尊、仏陀とも)【以下、お釈迦様】は、人生には耐え難い数多の苦しみが存在することを知ります。老い、病気、そして死。人生の苦しみから逃れる方法を探るため、お釈迦様は29歳の時に宮殿を離れ、出家の道を選びました。

しかし高名な僧侶のもとで修行しても、自らを極限まで追いつめる苦行に身を投じようとも、中々真理にたどり着くことはできません。

過酷な苦行のあまり、弱り切っていたお釈迦様は、そばを通りかかった娘から乳粥の施しを受け、命をつなぎます。極限状態でこれまでの苦行が誤りだったと気付いた彼は、修行を見直し、菩提樹の下で瞑想にふけるようになります。

いかなる誘惑や脅しにも屈する事なく瞑想を続けたお釈迦様は、35歳にしてついに悟りを開くことに成功するのでした。こうして悟りの境地に至ったお釈迦様は、生の苦しみから逃れる方法として仏教を広めていくことになります。

仏教の教えを簡単に

仏教の教えを理解する上で重要なキーワードは「四諦(したい)」「四苦八苦(しくはっく)」「諸行無常(しょぎょうむじょう)」「諸法無我(しょほうむが)」「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」です。

知っていると「一味違う教養溢れるビジネスマン」として見られること間違いなし!一つ一つ分かりやすく説明していきます!

四諦(したい)

お釈迦様が瞑想を経て達した「悟りに到達するための真理」が「四諦(したい)」です。四諦は以下の4項目に分かれます。

  • 苦諦(くたい)
  • 集諦(じったい、じゅうたい)
  • 滅諦(めったい)
  • 道諦(どうたい)

お釈迦様は、人生は思い通りにならない「一切皆苦(いっさいかいく)」であるとしました。人生は苦痛であるというこの真理を「苦諦」と呼びます。

そして人生の苦しみは、人間の煩悩やエゴ、執着心などが原因で生まれるとする真理を「集諦」、苦しみから逃れ、悟りに達することを「滅諦」、「滅諦」を実践するための道筋や真理を「道諦」と名付けているわけです。

専門的な言葉が並びますが、分かりやすく言えば「人生のあらゆる苦しみから逃れる方法」を模索するのが仏教の目的なのです。

四苦八苦(しくはっく)

お釈迦様が「人生は苦難である」とした「苦諦」は四苦八苦(生・老・病・死に加えて愛別離苦、求不得苦、怨憎会苦、五蘊盛苦の8種類の苦しみ)に分けられます。

【四苦】

  • 生:生まれたことで生じる苦
  • 老:老い、加齢で生じる苦
  • 病:病気で生じる苦
  • 死:死ぬことの苦

【八苦】

  • 愛別離苦(あいべつりく):愛する者と別れる苦
  • 求不得苦(ぐふとくく):欲しいものが手に入らない苦
  • 怨憎会苦(おんぞうえく):嫌いな相手と会わねばならない苦
  • 五蘊盛苦(ごうんじょうく):心身が思うがままにならない苦

生きていれば誰でも感じたことのある悩みや苦しみですよね。仏教における「人生でどうにもならない8つの苦しみ」を総称して四苦八苦と呼ぶわけです。

諸行無常(しょぎょうむじょう)

人生の苦痛から逃れるためにお釈迦様が到達した真理は「諸行無常」でした。

世に存在するあらゆるモノや概念、動物は、常に変化し続けているという理です。美しい花も、強靭な肉体をもった動物も、やがては土に還ります。同じように、権力や名声、能力といった概念も、絶えず変化し続けます。

それにも関わらず、不変を願い、執着してしまう心理から苦しみが生まれてしまうのだとお釈迦様は主張したのです。

手にした権力や名声に執着するあまり、犯罪や汚職に手を染めてしまう人は少なくありません。煩悩から逃れ、人生の苦痛から解放されるためには「この世は諸行無常であること」を知らねばならぬとしたのです。

諸法無我(しょほうむが)

あらゆるものは独立して存在しているわけではなく、互いに影響を与えあっているという真理が「諸法無我」です。

私たちの命は、体に取り入れた食べ物で作られていますし、子供のころに面倒を見てくれた両親の献身によって成立しています。普段当たり前のように外を歩けるのは、インフラ整備をしてくれた国や先人の努力があってこそです。

また、私たちの考え方は日々接する文化や友人、家族の発言等に強い影響を受けます。「自分の命は自分だけのもの」と思い込んでしまいがちですが、あらゆるものや要素に影響されて初めて人生が成り立っているわけです。

私達は、世界のあらゆる要素やバランスによって生かされている存在だとするのが「諸法無我」の真理です。

涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)

「涅槃寂静」は仏教における「悟りの境地」のことです。仏教の世界では、エゴやプライド、欲望などの煩悩が、人生を苦難に追い込むと考えます。逆に、煩悩を排除し、人生の苦しさから抜け出す事こそお釈迦様の考えた理想の状態です。

涅槃寂静こそ、煩悩に惑わされい平穏な心を手にした「仏教の到達点」というわけですね。

仏教の教えから学ぶビジネスマンの利他精神

仏教の教えはビジネスマンの教養としてはもちろん、仕事や日常生活に応用できる様々な教訓として有益です。特に「諸行無常」「諸法無我」は、現代社会でうまく生きていくためには極めて重要な教えではないでしょうか。

スキルや名声は絶えず変化するものであって、過去の栄光に縛られることは、ビジネスマンとしての退化を表します。

また、私たちの人生もビジネスも、周囲の環境や仲間・家族の貢献あってこそ成立するものであって、それらへの感謝を忘れてはいけません。常日ごろから、チームのため、仲間のために尽くす利他精神こそが仕事では非常に大事です。

今回ご紹介したのはあくまで仏教の一部です。知れば知るほど奥深い教えなので、ご興味のあるかたはぜひ勉強してみてください!