明智光秀の妻・妻木煕子とは?夫を献身的に支え続けた人生を解説!

戦国武将・明智光秀の妻である妻木煕子(つまきひろこ)は光秀が生涯を通して愛した女性として知られています。煕子は良きパートナーとして裏から光秀を支え続けました。2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」では、煕子役の木村文乃さんが光秀役の長谷川博己さんを献身的に支える姿が印象的でしたね。

今回は、煕子の人物像やエピソードを通してビジネスに応用できる考え方や生き方のヒントを得ていただきたいと思っています。大切な誰かをひたむきに支え続けた煕子の人生は、これからビジネスを始めたいと考えるあなたにとって大いに参考になることでしょう。

明智光秀の妻・妻木煕子ってどんな人物?

明智光秀は主君である信長に謀反を起こした(本能寺の変)人物として有名です。一方で、妻の煕子についてはあまり広く知られていません。そこで、彼女の具体的な生い立ちや光秀との関係、エピソードについて解説します。

織田信長の家臣・妻木範煕の娘として生まれる

煕子の生年ははっきり分かっていませんが、『細川家記』では織田信長の家臣である妻木範煕(のりひろ)の長女として生まれたと記録されています。あの信長に「織田家の人間の中では一番べっぴんである」と言わしめたほどの美人だったそうです。

光秀の正室として深く愛されていた

1545年(天正14年)には、明智城の光秀と婚約。夫婦仲は非常に良く、相思相愛だったと言われています。光秀が生涯側室をもたなかった(諸説あります)ことからも、そのラブラブっぷりが伺えますね。

その後、2人は3男4女の子宝に恵まれました。そして、その娘の1人に戦国時代最大の悲劇のヒロインとして有名な細川ガラシャがいます。ガラシャもまた美人として知られており、煕子の血を強く受け継いでいると言えるでしょう。

妻木煕子にまつわるエピソードを紹介!

煕子は光秀のためにすべてを尽くした賢妻として知られています。しかし、なぜ煕子はそれほどまで光秀のことを支え続けようとしたのでしょうか。そこで、煕子の人柄や光秀との純愛っぷりがわかる3つの逸話を紹介します。

疱瘡(ほうそう)にかかってしまった時の逸話

光秀との婚約前、煕子は疱瘡(天然痘)にかかってしまい生死の境をさまよいます。幸いにも病気は完治しましたが、顔には痘痕(あばた)が残り、美しい顔に傷がつくことになってしまいました。

そこで、父・妻木範煕は結婚を破談にさせないため、煕子の代わりにこっそり替え玉として妹の芳子を差し出そうとしました。醜い顔のままでは光秀に申しわけないと思ったうえでの判断だったのでしょうね。

しかし、光秀は芳子を別人であると見破り、「私が嫁に欲しいのは煕子である」と煕子との結婚を望みました。この光秀の行動に煕子は心を打たれ、良き妻として仕えようと決意したのです。煕子が賢妻として光秀をサポートし続けた背景にはこのようなきっかけがあったのですね。

困窮する光秀のために髪を売る

光秀は煕子と結婚したすぐ後に、斎藤道三の息子・斎藤龍興(たつおき)に攻め入られ落城させられます。流浪人となった光秀と煕子は各地を転々とし、苦難の道を歩まざるを得なくなってしまいました。

そんなある日、光秀は歌会の催しを任されることになり、宴の酒や食材を用意することに。金欠で困り果てた光秀はどうにかお金を工面しようと必死になっていました。

すると、光秀を見かねた煕子が自身の髪を切り落とし、その髪を売りお金を工面します。長く美しかった黒髪は自慢であったのにもかかわらず、躊躇せずお金に換え光秀の危機を救ったのです。

いかに相手のことを大切に思っていても、自分の身体を犠牲にしてまで尽くすことは中々できません。苦悩する夫を救った煕子の賢妻ぶりが発揮されたエピソードと言えるでしょう。

疲労困憊の光秀を介護

光秀が織田信長に仕え、天下統一に向けて各地の戦国大名と戦闘を重ねていた時のこと。丹波を任されていた光秀は激務のあまり、過労で倒れてしまいます。度重なる激闘に心身は疲れ果て、死の間際まで追い詰められてしまったのです。

そんな中、煕子は寝る間も惜しまず夫の看病を続けました。毎日毎日、昼夜を問わず献身的に看護し続けた結果、光秀はみるみる回復していき前線に出られるようになるまでもち直しました。

しかし煕子は介護の疲れからか体調を崩し、そのまま回復することなく息を引き取ってしまいます。

大切な人を支え続ける堅実さはビジネスでも活かせる!

煕子は夫である光秀のことを第一に考え、彼のためにすべてを捧げる人生を歩みました。誰かのことを真剣に思い行動する姿勢は、現代の私たちも学ぶ必要があるのではないでしょうか。さすがに過労で身体を壊す、なんてことは避けるべきですが、煕子の生き方から学べることは多そうです。

ビジネスでも「顧客が何を求めているのか」を考え具体的な提案をすることが求められます。そんな時こそ、煕子のような他者を思いやるひたむきさが求められるのではないでしょうか。