西郷隆盛の名言と壮絶な人生から学ぶリーダーの精神力

西郷隆盛の壮絶すぎる人生と名言からは、逆境に負けず前に進む強い心を学ぶことができます。今回は、西郷隆盛のものがたりから、あなたのビジネスのヒントを得ていただきたいと思っています。

仕事や人間関係で「もうだめだ……」と思った時、西郷の言葉を思い出してみましょう。どんな時もポジティブに立ち向かう不屈の精神力で乗り切れるはずです。

西郷隆盛ってどんな人?

西郷隆盛の精神力は、彼の波乱万丈すぎる人生によって鍛えられたと言っても過言ではありません。ここでは、西郷隆盛の壮絶な人生を振り返ります。

 二度の島流し

薩摩藩(現在の鹿児島県)の下級武士の家に生まれた西郷隆盛。幼い頃より学問に打ち込んだ彼は薩摩藩のリーダー、島津斉彬(なりあきら)にその才能を見出され、右腕として重用されます。

しかし斉彬が病死すると、政敵からの圧力が強まり、奄美大島へ島流しされてしまいます。その後、薩摩へ帰還した西郷ですが、今度は上司の島津久光と馬が合わず、またも島流し。特に二回目の島流しは重罪人同然の扱いで、雨風も凌げぬ牢屋での生活を余儀なくされました。

新政府の重役として活躍

二度の島流しを経て政治の世界に戻った西郷。「幕府を倒そう」という運動が過激化しており、江戸城に戦火が及ぼうとしていました。そこで西郷は、幕府側の代表であった勝海舟と会談。話し合いで事態を収束させることに成功します。江戸の町と人々を戦争から救ったのです(江戸無血開城)。

その後、西郷は新政府の中心として、警視庁の設置、学校制度や徴兵制の整備など、様々な改革に着手。日本の近代化の立役者となったわけです。

最後は逆賊のリーダーとして自刃

明治日本に尽力した西郷ですが、その最期は「逆賊のリーダー」という汚名をかぶって迎えることになります。鎖国を貫く朝鮮半島への対応で大久保利通と意見が分かれた西郷は、薩摩へ帰還。

数々の特権を取り上げられ、新政府に不満を募らせていた士族たちは、西郷をリーダーとして反乱を起こします(西南戦争)。しかし最新兵器を備えた新政府軍を相手に徐々に追い詰められ、最後は薩摩の城山で自刃しました。

西郷隆盛が犬を連れている理由

西郷隆盛は大の犬好きで知られています。西郷が犬を連れている上野の銅像は、非常に印象的ですよね。肖像画や上野の銅像からも分かるように、西郷はメタボ体質でした。ある時、医者から、「太りすぎで命が危ない」と忠告された西郷。

「これはマズイ」と慌て、ダイエットのために犬を飼って散歩をするようになったそうです。これでは「犬を散歩につれていく」というよりも、「犬に散歩に連れて行ってもらってる」と言った方が適切かもしれませんね。

自分に厳しい西郷隆盛の名言

西郷隆盛の名言から、自分を厳しく律していた彼の一面が伺えます。

  •  世の全ての人からけなされても落ち込まず、すべての人から褒められてもうぬぼれるな
  •  幾度か辛酸を経て、志始めて堅し。丈夫は、玉砕に及んで瓦全(がぜん)を恥ず
  •  己を尽くして人を咎めず。我が誠の足らざるを常にたずぬべし。

西郷は、周囲から批判されてもひるまず我が道を極める強靭な精神力の持ち主でした。そして人の志や精神力は、いくつのも苦難を経験することで身につくのだと考えました。現代でも「若い頃の苦労は勝ってでもせよ」とよく言われますが、二度の島流しを経験した西郷の言葉には説得力がありますよね。

「人を責めず、自分の至らなさを自覚すべし」とした西郷。「自分に厳しく人に優しく」を体現した人物だと言えるのではないでしょうか。

西郷隆盛の名言に学ぶチームワーク

西郷隆盛の特徴は、利他的でチームを大事にする点にあります。彼の名言から、チームに尽くすことの重要性を感じ取ることができます。

  • 己を利するは私、民を利するは公、公なるものは栄えて、私なる者は亡ぶ
  • 小人は己を利することを欲し、君子は、民を利することを欲する
  • 思い切ってやりなさい。責任は私がとる

取るに足らない人間は自分のことばかり考え、有能なリーダーはチームや他人に尽くすものだという西郷。利己的な人物は亡び、利他的な人間こそ成功すると考えました。

これは現代でも通じる名言ではないでしょうか。自分の利益ばかりを追求する人間は、短期的には得をするかもしれませんが、周囲の反感を買い、その栄光は長く続きません。

一方、有能なリーダーは、チームや他人に尽くすことが巡り巡って自分の利益にもなることを知っています。現代らしく言えば、「ギブの精神」です。まずは人やチームのために行動すること。その連続こそ周囲からの信用を得て、チームの頂点に立つカギとなるわけです。

部下が最高のパフォーマンスを発揮できるように環境を整えるのは、上司の重要な役割と言えます。「責任はとるから思いきりやりなさい」と部下の力を引き出した西郷。現代の会社にいたら、「男前すぎる上司」としてその名を社内に轟かせていたことでしょう。

本質を見抜く西郷隆盛の名言

西郷隆盛の名言には、思慮深く、本質を見抜くことに長けた彼の能力を感じさせる言葉もあります。

  • 文明というのは、道理にかなったことが広く行われることを褒め称えていう言葉であって、九電が荘厳であるとか衣服がきらびやかだとかいった、外観の華やかさをいうものではない。
  •   みだりに外国の盛大を羨んで、利害損得を論じ、家屋の構造から玩具にいたるまで、いちいち外国の真似をして、贅沢の風潮を生じさせ、財産を浪費すれば、国力は疲弊してしまう。それのみならず、人の心も軽薄に流れ、結局は日本そのものが滅んでしまうだろう

明治時代、日本は欧米の最新技術を取り入れ、文明を発展させました。しかし西郷は、なんでもかんでも外国の真似をすれば良いという思考停止な改革は、破滅を招くと言っています。

「なぜその技術が必要なのか」、「なぜその文化を取り入れるのか」、本質を考えずして「欧米は凄いから」といたずらに真似するだけでは、金も労力も無駄にしてしまうと考えたわけです。

ビジネスでも同じことが言えますよね。本質を見ずに成功者のみてくれを真似るだけではとても成功できません。自分のストロングポイントを認識し、社会に価値を提供できるほどに昇華させることで、初めてビジネスになります。

西郷隆盛の名言から不屈の精神を学ぼう

今回は西郷隆盛の名言を紹介しました。明治政府の高官から逆賊のリーダーと、激動の幕末~明治期を生きた偉人の中でも更に激動の人生を生きた彼の名言は、現代でも十分に通用する教訓を私たちに与えてくれます。

  •  二度の島流しに耐える強靭な精神力
  • 部下の力を引き出す高いマネジメント力と強い責任感
  •  物事の本質をみる洞察力

 こうして彼の特徴をちょっと書き出してみるだけでも、有能で頼れる男前なリーダー像が浮かび上がってきますよね。西郷の名言と人生を学ぶことで、部下や同僚から慕われるリーダーになれるはずです。

今回紹介した西郷隆盛の名言は、こちらの動画でも詳しく解説しています。ぜひご視聴くださいね!