年末年始になってくると、「大掃除をしなきゃ!」と慌てる方も多いのではないでしょうか。せっかくの年末年始、「ゆっくりしたいのに……」と煩わしく思う人もいるはずです。そもそも、年末年始の大掃除にはどのような意味があるのでしょうか?
今回は年末年始に大掃除をする意味と由来、大掃除をする際のポイントについて紹介していきます。
年末年始の大掃除の由来
年末年始の大掃除の由来は、煤払い(すすはらい)からきています。昔は、家庭で囲炉裏を使用していました。料理のため、暖をとるため、囲炉裏は毎日の生活に不可欠なものでした。そして囲炉裏の周りに溜まった煤を掃除し、綺麗にすることを、煤払いと呼んだわけです。
煤払いは12月13日に行われます。昔は、12月13日を正月事始めの日としていました。正月事始めは、最も運気が良い鬼宿日とされてます。ではなぜ、そんな縁起の良い日に煤払いをするようになったのでしょうか。
それは、煤払いはただの掃除ではなく、新年にやってくる年神様を迎えるための儀式だったからです。年神様は、新しい年を生きる我々に力と幸福を分けてくれるために訪れます。だから、家をきれいに清め、年神様をお迎えする準備をしなければならないと考えられていたわけです。このように、年神様を迎えるための行事が年末年始の大掃除として形を変えて残っているのです。
年末年始に大掃除をする意味
現代では、めったに囲炉裏も使うことはありませんよね。「なら、大掃除なんて無意味じゃないか」というと、そうでもありません。現代の大掃除には、煤払い以外にも重要な意味があります。
それは、一年間溜まってしまった厄(やく)を落とすこと。一年間、溜まりに溜まってしまった厄を来年に持ち越すのは、あまり気分の良いものではありませんよね。そのために大掃除をして、厄をきれいに落とす必要があるわけです。
また、大掃除をすることで心も綺麗になるといわれています。身も心も家もきれいになると、気分が高揚し、また新しい年を頑張れそうですよね。
年末年始の大掃除は、一年のけじめとしても考えられています。煤払いに清めという意味があるように、年末年始に行う大掃除は形があるものないものを断捨離してけじめをつけるという意味があります。
大掃除できれいにしておきたい場所
年末年始、「忙しくて大掃除まで手が回らない」という人もいるでしょう。そんな方は、玄関だけでも綺麗にしておくことをおすすめします。なぜかというと、年神様は玄関から入ってくるといわれているからです。玄関が綺麗だと、年神様も気持ちよく入ってくることができます。
玄関に汚い靴や折れている傘、封便物などが溜まっているときれいには見えませんよね。玄関が汚いと、年神様が入ってきにくく、運気や幸福を自分から避けてしまうことになります。
大掃除はいつするのか
年末の大掃除は12月13日から28日までに行うのが最適とされています。昔と同様、鬼宿日から年神様を迎える準備をすると縁起が良いとされているからです。13日から28日まで2週間かけてじっくり掃除を進め、もし終わらなければ30日に仕上げるという形が理想的でしょう。
逆に、大掃除には適さない日も存在します。まず、大晦日に大掃除はしないほうがいいでしょう。それは、もともと12月31日は年神様をお迎えする日だと考えられていたからです。かつては12月30日が大晦日とされており、年神様は次の日の12月31日に来るとされていました。したがって大晦日の前日までに大掃除を終わらせ、静かに年神様を迎えるのが理想的だと考えられているわけです。
また、12月29日や1月1日も避けるべきでしょう。昔から9は不吉な数字と考えられていました。そして、1年で9がつく最後の日である29日は、とりわけ縁起が悪い日だとされています。
1月1日は、最も大掃除に適さない日とされています。1月1日はまさに新年のはじまりだからです。年神様をお迎えするこの日に大掃除を行ってしまうと、運気も一緒に無くなっていってしまいます。年神様と運気を同時に追い払ってしまうことになるわけです。元旦に大掃除を行うのは運気ダウンにつながるので止めておきましょう。
大掃除をしっかりとし、新年を最高の運気で迎えよう
ここまで年末年始の大掃除について紹介してきました。年末年始、きちんと大掃除をすれば、晴れ晴れとした気持ちで新年を迎えることができます。「来年は負けられない一年になる」というあなたは、早めの大掃除を心がけましょう。
「年末年始は忙しい」という方は、玄関だけでも綺麗にしてみてくださいね。運気を上げ、人間関係や仕事で良いフォーマンスを発揮できるはずです!