人材能く弁ず。器械能く利なり。|吉田松陰の名言

人材能く弁ず。器械能く利なり。とは、現在の言葉に置き換えると、ビジネスの成功のためには、①有能な人材 ②PCやスマホなどの便利な道具 ③戦力となる部下の育成 ④明確なビジネスプランを持つこと…が必須であることを説いている言葉です。以下で、この言葉の解説や現代のビジネスシーンでどのように役立つかなどを記しました。

人材能く弁ず。器械能く利なり。

「人材能く弁ず。器械能く利なり。」の原文と訳、解説を見ていきましょう。

原文

『方今(ほうこん)、遠征猖厥(えんせいしょうくつ)なり、我れ何の待つ所ありて、而る後(しかるのち)之れを恃む(たのむ)や。曰く、四あり。人材能く(よく)弁ず。器械能く利なり。操練、法あり。戦法、術あり。凡そ此の四者は、国家の急務にして、一日も欠くべからざるものなり。』(未認焚稿(みにんふんこう) 弘化三年)

(訳)「最近の情勢では、ヨーロッパ諸国の勢いが盛んである。どのような準備があれば、わが国の防衛を託すことができるだろうか。それには、四つのことが挙げられる。一つはすぐれた人材。二つには強力な武器。三つめは兵士の訓練。四つめは作戦だ。この四つは、国にとっての急務であって、一日も欠いてはならない。」

解説

「人材能く弁ず。器械能く利なり」という言葉は、一八四六年、十七歳の吉田松陰より発せられた言葉です。この年の四年前、松陰十三歳の時に、中国・清の国がアヘン戦争により、イギリスに敗北したという大事件がありました。

アヘン戦争はアヘンの密貿易をしていたイギリスの謀略により始まった戦争でしたが、清国は負けてしまったのです。古い時代から中国の影響を強く受けてきた日本にとっても、たいへん衝撃的なニュースでした。清の国はこの理不尽な戦争の結果、南京条約という不平等条約まで結ばされ、国の財政も悪化したのでした。

松陰もこの出来事に大きなショックを受けたものと思われます。そして国防に関して強い危機感を抱くようになりました。日本の軍事力を増強するためにはどうしたらいいのか…。それを考えたときに生まれた言葉が「人材能く弁ず。器械能く利なり」なのです。

松陰は国家という視点でこの言葉を考えましたが、【いつでも戦う準備をしておきなさい】という意味合いは、現在のビジネスにおいても通じる言葉と言えるのではないでしょうか。

現代における「人材能く弁ず。器械能く利なり」

この言葉は、現代においては、①優秀な人材、②便利なツール、③部下の育成、④明確なビジネスプランを持つ…ことが、ビジネスを成功させるためには大切であると言っている、と受け取ることができますね。

優秀な人材になろう

優秀な人材とはどんな人でしょうか。そのような人に近づけるように努めていくことが大事ですね。

優秀な人とはどんな人?~10選

優秀と言われる人には、以下のような特徴が見受けられると言いますよ。

  • 成長しようという姿勢が見られる
  • 困難に直面しても悲観的にならない
  • 常に謙虚で、相手の立場を想像できる
  • 仕事に明確な優先順位を付けることができる
  • 時間を大切にする
  • 素直に感謝することができる
  • 仕事にメリハリをつける
  • メール返信が早い
  • きちんと自己管理ができる
  • 結果を出せている

優秀な人材になるには?

本当に優秀な人は自分を【優秀な人材】とは思わず、【優秀な人材】をめざしている人です。それは、自分自身を常に俯瞰(ふかん)で見ているためですが、その結果、上記のとおり謙虚なタイプが多いのでしょう。

優秀な人材は、自分の強みと弱みを知っています。そして優秀な他人を観察して、その言動に込められた【本当の意味】を知り、そこから学ぶ姿勢があります。

優秀なタイプに出会ったら、素直な目で相手を見て学び、良いと思った点をお手本にすることが大切ですね。

便利な道具を使いこなす

便利なビジネスツールにはPCやスマホがあります。中でもスマホを使いこなせると便利ですよ。

スマホを使いこなして、どこでも仕事をする

スマホは電話をするだけではなく、便利なアプリを入れることによって立派なビジネスツールになります。

Gmailを入れてPCと連動させてメール管理をしている方は多いと思います。他にも、Dropboxを入れておけば、外出先でもデータを取り出すことができます。

チームのメンバーの仕事状況が把握できるタイムクラウドや、付箋メモを管理できるTrello、スマホアプリ版のExcelまであるのです。

外出先の透き間時間で効率良く仕事をするためにも、便利なスマホアプリを使いこなしたいですね。

部下を育成する

部下を育成することは、ビジネス自体を育てることに結びつきます。最初は特に手間がかかるかもしれませんが時間を投資するつもりで、自分のためにも部下育成をすることは大切ですね。

部下育成のための3ポイント

大きな仕事をするためには、一人だけで仕事を回すことには限界があります。戦力となる部下を育てる必要がありますね。部下育成のためには、以下の3ポイントを押さえておきましょう。

  • 部下とコミュニケーションを取るために、目標・スケジュール・情報を共有する
  • 部下が上司に報告しやすい環境を整備する
  • 部下の成果を確認して、きちんと評価をする。出来なかった部分に関しては、自ら検証させて改善を促す

部下の立場に立って考慮しつつ、指導する方法が、上手な指導法・育成法かもしれませんね。

ビジネスプランを持つ

ビジネスで成功する人はビジネスプランを持っています。特に自ら起業することを考えている人には、ビジネスプランは必須と言えるでしょう。

起業したい人が必要な5ポイント

  • 自分のアイデアを徹底的に考える
  • 検証をするためにも早めに起業をして、データを積む
  • 少額でも始められるビジネスから手をつける
  • 自分しか出来ないポジションを確立すれば、生き残ることができる
  • 専属のメンターを見つけて、常に有用なアドバイスを得る

メンターには、【指導者】【助言者】などの意味があります。身近にメンターがいない場合はこちら。あなたにとって吉田松陰のような特別なメンターと出会うことができますよ。https://lp.kaikurakeisho.com/story-seminar/

ビジネスで成功するには、多角的な配慮が必要

いかがでしょうか。昔の言葉であっても、その本質を知り、現代に置き換えてみることでビジネスにも参考になる内容に触れることができますね。

ビジネスで成功するためには、良い人材やツールが必要です。その上に戦力となる部下を教育すること、自分のビジネスに対する姿勢を詳細かつ明確にすることが大切でしょう。

ビジネスに関わる全体を把握し、思う通りに動かしてこそ、本当の成功があなたを待っていると言えるからです。