上座・下座でもう迷わない! シーン別の覚え方ガイド

みなさん、上座・下座と言う言葉はご存知でしょうか。最近のビジネスマンはあまり聞き覚えのない言葉でピンと来る方も少ないと思います。しかしこの上座・下座というのとても大切なビジネスマナーなのです。

これは日本独自の文化と言えるもので、日本人は順番や位置に対するこだわりがとても強く、これを間違えたり怠ったりしてしまうと大いに怒らせてしまう可能性もあります。 

そこで今回は、上座・下座について紹介していきたいと思います。シーンや場所によっても座る場所や立ち位置が変わってきます。その場面に巡り合った時もスムーズに対応できるようにしっかり覚えておきましょう。

上座・下座とは

まずここでは上座。下座について意味を説明していきます。上座・下里は以下のように定義されます。 

上座(かみざ)とは、日本の室内に関するマナーにおいて、身分の高い人が座るところ。対義語は下座(しもざ)。概ね、入り口から最も遠い席が上座となり、以下入り口に近くなるにつれて下座となる。

簡単にまとめると座る位置、立つ位置のことを言います。「上座」はメンバーの中で一番目上の方や最年長が座る席のことで通常は出入り口から一番遠い席のことを言います。一方「下座」というのは、目下の人や最年少、お局様をもてなす人が座る席のことで通常は出入り口から一番近い席のことを言います。

日本では昔、出入り口から一番遠い場所に床の間や神棚を置く習慣があり部屋の一番奥は神聖な場所ということになっていました。その習慣が今も続いていると言われています。

出入り口は人が出入りするため落ち着きません。なので目上や最年長は落ち着いて過ごしてほしいということで部屋の一番奥に案内するという意味もあります。

例えば、世界各国から集まるときに写真撮影などが行われますときに、日本で話題や注目ポイントとなるのが立ち位置です。上座である中央の位置に立って写真に写っていたなら重要視されている国だと捉えられ、隅に行けば行くほど軽視されている国だと捉えられてしまいます。 

このように日本人はとても立ち位置や座る位置に敏感なのです。なので間違えないように基本的な上座・下座は覚えておきましょう。

上座・下座シーン別の覚え方

上座・下座というのはビジネスの中で人間関係を良好にするための大事なコミュニケーション方法です。場面や場所に応じて臨機応変に対応して良い人間関係を作りましょう。 

ここでは、よくある場面と間違えやすい上座・下座についていくつか紹介していきます。 

会議室の場合

よく会社では会議が頻繁に行われます。その会議に議長がいる場合は出入り口から一番遠い席が議長席となります。そして議長に近ければ近いほど上座になり、議長から見て一番右側の席が上座。次に議長から見て左側、その後からは右、左と続いていきます。議長から遠くなれば遠くなるほど下座になります。

社内での順番は、役職、社歴、年齢の3つで決まります。1番最初に役職を見ます。同じ役職の場合は社歴、この2つも同じ場合は年齢で決まります。

応接室の場合

ここでも応接室から遠い席が上座、近い席が下座になります。長いソファと肘掛け椅子がある場合、肘掛け椅子が上座と間違えがちですが長いソファが上座になります。

長いソファは出入り口から遠い位置が上座になりますので出入り口から遠い場所に順番に座ります。肘掛け椅子や、一人がけのソファの場合も同じように出入り口から遠い方に座ります。また絵などがかかっている場合は、その絵を正面から見ることができる位置が上座になります。 

応接室が和室の場合は、床の間に一番近い席が上座になります。なぜかというと先程も説明した通り床の間は神聖な場所と考えられているからです。

エレベーターの場合

会議室や応接室のように大事なことが行われる場所以外にも上座・下座というのは存在します。エレベーターの場合も会議室と同様に出入り口から遠い場所が上座になっています。 

なぜ奥なのかというと一番乗り降りがしやすいからです。そして操作ボタンやドアの近くが下座となっています。 

上司と一緒にエレベーターに乗るとき、先に人が乗っていたら外に立ってドアが閉まらないようにボタンを押し、先に乗るように促しましょう。誰も乗っていない場合は、「お先に失礼します」と一言かけてから乗り「開」ボタンを押しもう片方の手でドアが閉まらないようにもう片方の手で押さえて乗ってもらいます。

もし先に上司などが乗っていて、下座に立っていた場合は「よろしければ回数のボタンを押します」と一言かけましょう。そして相手の返答に従ってください。上司が押してくれたら、感謝の言葉を忘れずに言ってください。

タクシーの場合

タクシーの車内でも上座・下座は存在します。運転席の後ろが上座で下座が助手席です。なぜ運転席の後ろが上座なのかというと、もしタクシーが事故を起こした時に運転席の後ろが一番安全だから上座なのです。下座の人は行き先を運転手に伝えることや支払いなど幹事的な役目を担当します。

上座・下座を覚え、自信を持って接待をしよう

今回は上座・下座について紹介していきました。様々な場面で使われるということは絶対に覚えておきましょう。これらはビジネスマナーの基本中の基本の行動です。 

どんなに言葉遣いや態度が丁寧で輝いていても上座・下座ができないだけで非常識な人と判断されてしまうことがあります。そのようなことは非常にもったいないことなのでしっかりと判断して接待が行えるようにしましょう。

また上座・下座というマナーはありますが、実際には色々なケースが存在します。時にはお客様や上司を基準に臨機応変な対応も必要となってきます。どんな時にもしっかりと対応し自分は譲るという気持ちを持っておきましょう。