嘘つきはなぜ悪い?嘘が招くトラブルと回避術

嘘つきはなぜ悪いのでしょうか。一度も何のウソもついたことがない人はいないでしょう。ですが嘘つきは、最後は他人から軽んじられます。最近では「サイコパス」という言葉もあるほどです。サイコパスとは嘘つきの上、さらに人に迷惑をかける困った人のこと。人が離れてから後悔しても遅いです。自分に思い当たることがある人は、今のうちに対処しましょう。

嘘つきの特徴や心理

なぜ人は嘘をつくのでしょうか。嘘つきには、以下のような心理状態が作用していると言われます。

自分の過ちを隠したいから

ミスをしたときに、他人に責任転嫁をしたり、言い訳をしたりする人がいます。自分が傷つきたくないので、嘘をついてしまいます。大事なことを失敗したときに、言いにくいのは分かります。素直に自分の失敗を認めることができないのは保身の意識が働いているからかもしれません。

しかしそんなことを繰り返していると、他人に良い印象を持たれません。人は案外、他人の細かい所まできちんと見ているものだからです。また、そんなことがいつまでもまかり通ることもありません。

嫌われたくないから

子供さんによく見られることですが、親やお友達に嫌われたくないと思うと嘘をつくことがあります。嘘をついて自分より立場が上の者、強い者に対して自分を守っているのです。

ですが嘘は必ず露呈するものですし、話の前後が繋がらなくなるためややこしい事態を招く可能性もあります。子供のようなデリケートな対象は、怒るのではなく気持ちをおもんばかって諭してあげることが大切です。

自分に注目をあつめたいから

特に理由もないのに嘘が多い人は、嘘で自分の身を飾ろうとする心理が働いていると考えられます。虚言癖があると言われる人です。もしかすると子供の時から苦労をして育ってしまった人かもしれません。いつも誰からも構ってもらえなかったため、人一倍の寂しがり屋になった可能性があります。

嘘つきになることで周囲の注目を集め、自分に関心を持ってもらおうとする他人へのアピールかもしれません。こんな人は時に他人の根も葉もない噂話でスポットライトをあびようとすることも。強いコンプレックスを持ち、自分を少しでも高く見積もってほしいと願うタイプと推察できます。

嘘つきからのトラブル回避術

嘘つきとはどうやって付き合ったらいいのでしょうか。3つのポイントをお伝えします。

嘘つきと話すときは、証拠を作るようにする

もし嘘つきが商談相手であったり上司であったりするならば、大事な話し合いの時は証拠が大切になります。ミーティングの際はきちんと書面に残す、あるいは第三者を立てて会を行うなど「証人」を作り、自らの身を守りましょう。

上手い冗談で返す

相手の嘘があなたへの思いやりや気配りから発したものであるときは、ストレートに嘘を非難するのはためらわれます。そのようなときは、あなたも冗談混じりに話してみてはどうでしょうか。冗談の中に本音を入れて。

勘の良い相手であれば、あなたの言わんとしていることは通じるはずです。

嘘つきとは付き合わない

結局、嘘つきとは「なるべく関わらない」ことが賢明です。嘘つきは、自分の身上は都合良く書き換えてしまいます。こちらがどう努力しても誠実に対応してくれない相手であれば、距離を置くことも大切です。

悪質な嘘つきに捕まってしまったら、陥れられて被害に遭うかもしれないからです。ビジネス上、やむを得ずお付き合いする相手とは距離を置いて関係を保ちましょう。

嘘つきは他人から低く見られる

上に記したとおり、嘘つきの人は何らかの理由がその心理にはあります。高すぎるプライドや強い劣等感ゆえに虚言癖からなかなか逃れられないタイプもあるでしょう。また、大きな秘密を抱える事情もあるかもしれません。

ですが、嘘をつき続けているとやがて「あの人は、信用できない人」と周囲から低く評価されるようになります。高じて「私に悪意があるのかも」と思われてしまうことも。そして、そのうちに誰からも相手をされなくなります。

人はできないことがあるとき努力をするものですが、嘘つきは苦労をすることがイヤなタイプも多いようです。勤勉にはなれないけれども、人からの高い評価は得たい。そんな人を他人はちゃんと見抜いてしまいます。

嘘つき、つまり虚言癖がある人は、早めに自分のクセを自覚して直していくべきです。

たやすく嘘をつかないことこそ、日本人の矜持(きょうじ)

古来より日本では「武士に二言はない」という言葉があります。これは、一度口に出した信条はどんなことがあっても絶対に曲げないという、武士の信念です。ですので、この場合は俗に言う「嘘つき」とは違うかもしれません。

本当の嘘つきとは、自分に誇りや矜持(きょうじ)がない人と言えるでしょう。

矜持とは薄っぺらではない本当のプライドのことです。日本人らしい誇りを失わないためにも、軽々しい嘘をつかないように気をつけたいものです。