お辞儀のマナーとお辞儀の種類

お辞儀のマナーを知らずに、かえって失礼なお辞儀をしている人が意外と多いようです。お辞儀はただ頭を下げれば良いものではありません。あなたのお辞儀はお客様のあなた自身に対する第一印象も決めてしまいます。印象の悪いお辞儀をすることは、損をすることにつながりますね。正しいお辞儀マナーなどを知り、あなたへの評価をアップさせましょう。

お辞儀のマナーを身に付けて、あなたが得られるベネフィット

お辞儀のマナーを身に付けることであなたが得られるベネフィット(恩恵)は、思いのほか大きいのです。以下ではお辞儀マナーが、お客様に対するあなたの印象付けに強い影響を与えることや、日本のお辞儀マナーがいかにお客様の高い評価を得ているのかをご説明します。

お辞儀のマナーがあなたの第一印象を決める

人の第一印象は15秒で決まるとされます。アメリカの心理学者が提唱した研究によると、話し手の表情や立ち居振る舞いなどの目から入る情報が55%以上の大きな割合を持って、相手に影響を与えてしまうと言われているのです。話を聞いていただく以前に、見た目だけでお客様に大きなマイナスイメージを与えてしまっているとしたら損ですね。

第1印象とはどんなことでしょうか。たとえば身だしなみ・笑顔、そして丁寧なお辞儀です。キャビンアテンダントやホテルマンを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。社会心理学の観点からしても、第1印象はその後相手が態度を決定したり、あなたとの関係について判断をしたりするときに、特に影響を与える情報と言われているのです。ですから、お辞儀のマナーはないがしろにできないビジネスマナーといえるのです。

日本式のお辞儀は相手に好印象を届ける

2017年に発表された日本感性工学会の論文があります。これは日本的なお辞儀をしたときに、相手に与える印象について科学的に調査した内容になっています。

この調査結果によると、手をぶらぶらさせながら等落ち着きなく雑にお辞儀をすることは、お客様に対してかなり低い印象を与えていることが科学的にも証明されました。また、深すぎるお辞儀も意外と印象評価が低いということが明らかになっています。つまり、お辞儀には適切な角度や方法があることがわかったのです。

深すぎるお辞儀はかえって良くないとお伝えしましたが、素早いお辞儀よりは印象が高いのです。これらのことからも、お辞儀はゆっくりと丁寧にする方が望ましいことが、科学的にも裏付けられたのです。

お辞儀の種類など~ワンランク上のお辞儀マナーをめざして

お辞儀には3種類あります。お辞儀の角度が深くなるごとに「会釈」「敬礼」「最敬礼」と呼び方が変わります。それぞれのお辞儀は、そのときのビジネスシーンによって上手に使い分けるのがビジネスマナー上級者です。

会釈

会釈は、軽く頭を下げる程度のお辞儀のことです。上半身をおよそ15度の角度で前に倒すと「会釈」になります。

会釈はどんな場面にふさわしいかと言いますと、たとえば、廊下でお客様とすれ違うとき。そして、お客様の視線が自分に向けられたものではないときも、あなたの方向を見たときには、軽く会釈を返すと丁寧な印象を持っていただけるでしょう。

敬礼

敬礼は、会釈よりもさらに深く頭を下げます。上半身を30度の角度で前に倒しますと「敬礼」です。角度の目安としては、頭を下げたときつま先からおよそ120㎝の高さに目線を合わせると良い、と覚えておきましょう。このとき背筋はピンと伸ばして行うとキレイな敬礼になります。

敬礼はお客様に対して、敬意を表すことができるお辞儀です。ですので、一番多く用いられるお辞儀といえるでしょう。

最敬礼

最敬礼は、最も深く頭を下げるお辞儀です。上半身はまっすぐのままで45度まで頭を前に倒しましょう。コツはつま先の少し先を見つめてお辞儀をすることです。

お客様をお見送りするときや、謝罪のとき、あるいは深い謝意を表したいときに行うお辞儀になります。

また、いずれのお辞儀も頭を下げるときは早く、上体を起こすときは少しゆっくり上げると、キレイに見えます。

格好悪いお辞儀はマナー違反!

中途半端なお辞儀はかえってマナー違反に見られてしまいます。時には「不遜(ふそん)な態度」ととられてしまい、損をすることも。

チョンと頭だけ下げるのも、何度も頭を下げるのもNGです。また着席した後にお辞儀をする機会があったときは、出来るだけ席を立ち立った姿勢でお辞儀をするのが良いです。ですが、あえて立つ必要がない場面もあります。そのような時には、着席したまま会釈のように頭を下げつつ、「ありがとうございます」などと言葉を添えましょう。

お辞儀は丁寧に、きちんと基本をおさえましょう

いかがでしょうか。今の時代はホテルマンやキャビンアテンダントのような接客のプロ以外は、意外と失礼なお辞儀をしている人が多いのが現状のようですよ。

だからこそ、キレイなお辞儀をマスターするべきです。

正しいお辞儀はあなたの印象を良くしてくれます。

まずはお辞儀マナーからライバルに差をつけてみませんか。